道具・治具

砥石の種類とおすすめ ~面直しから裏押しまで、まとめて解説!

砥石の種類とおすすめ

さくや(@sakuyakonoha77)です。

刃物を使っていれば、避けて通れないのが砥石研ぎですね。

砥石というのは、実は私たち日本人にとってとても身近なものです。

おばあさん(?)が、包丁を砥石で

シャー、シャー

と研ぐ場面は、子ども向けの昔話にも登場します。

それくらい身近にあったものなのに、今は砥石について詳しく知らない方が多いのが実情です。

さくや
砥石について学校では教えてくれないからなぁ
そりゃそうでしょ。家庭科で包丁は使ったけど・・
はろ子
さくや
包丁の使い方は教えるのに、包丁の研ぎ方を教えないのが不思議
教えられない理由は色々ありそうだけどね~
はろ子

一言に砥石と言ってもその種類は膨大で、なにを基準に選べばよいのかがわからない方も多いと思います。

この記事では、

  • 刃物の研ぎで何を目指すべきなのか(研ぎのゴール)
  • そのためにどのような方法があるのか(ゴールへのアプローチ方法)

の二つを詳しく説明しつつ、私が愛用している砥石たちを紹介していきたいと思います。

砥石と研ぎに悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい!

研ぎのゴールとアプローチ方法

刃物の研ぎ方は様々な書籍や動画で学ぶことができます。しかしそれを真似して研いでみても、イマイチ良い結果にならないことが多いものです。

それはそもそも何を目指して研いでいるのか、すなわち研ぎのゴールが明確になっていないからです。ゴールが明確でないのに、形だけ真似しても意味はありません。

どんな砥石を使えばよいのかがわからない、研いでいてもなかなか上達しない・・という場合は、まず研ぎのゴールを明確にし、さらにゴールにアプローチする方法を持つ必要があります。

以降、この記事では『片刃の刃物』をテーマにして詳しく説明していきます。

丸刃、両刃などさまざまな形の刃がありますが、ここでは割愛します。また片刃の中にも特殊な研ぎ方が必要になるものもありますが、同様にここでは割愛します。

多種多様な刃物の研ぎ方については専門書にお任せするとして、ここでは単純な片刃の刃物、たとえば鉋(かんな)、鑿(のみ)、切り出し(もしくは小刀)などをイメージして話を進めます。

研ぎのゴールとは

まず下の図を見てみてください。

片刃を研ぐときのゴール

片刃を研ぐときのゴール

これが片刃の刃物の基本的な形で、刃は二つの面によって作られています。

水平な面が『刃裏(はうら)』、その反対にあるナナメの面が『鎬面(しのぎめん)』、刃裏と鎬面が交わる部分が刃先です。

刃裏と鎬面が正確な平面であれば、その交わる部分は直線となり、鋭く切れる刃物になります。

そして刃先の角度は小さければ切れ味がよくなる半面、刃こぼれしやすくなります。角度が大きければその逆です。

刃の角度は、刃物の種類によってある程度適切な角度が決まっています。たとえば鑿であれば30度、和鉋であれば27度程度です。ただし場合によっては意図的に角度を変えることもありますので、あくまで参考値として考えてください。

つまり刃裏が平面になっていない、鎬面が丸くなっている、あるいは刃裏と鎬面の角度が適切でない・・これらすべてが切れない原因です。

したがって、片刃の刃物を研ぐときには、次の三つがゴールとなります。

  • 刃裏を研いで平面にする
  • 鎬面を研いで平面にする
  • 刃裏と鎬面の角度を適切に調整する

刃の先端だけ研げばよいのではなく、二つの平面を作ることが重要と覚えておいてください。

上記は研ぎの基本ですが、場合によっては刃先を二段に研いだり、丸く研いだりすることがあります。

刃の切れ味を長持ちさせるためであったり、研ぎの手間を減らすためであったりしますが、いずれにしても基本の研ぎができることが前提です。

そして刃物を研いで平面にするためには、砥石自体が平面であることが重要になってきます。

さくや
丸まった砥石で刃物を研いで、平面になるはずがないからね

そこで必須となるのが砥石の面直し(つらなおし)という作業です。

砥石の面直しとは

砥石の面直しとは、砥石の研ぐ面を修正して完全な平面にすることです。

厄介なことに、砥石は簡単に形が崩れるものです。合成砥石・天然砥石はどれも形が変わりやすいもので、ちょっと研いだだけで簡単に窪んでしまいます。※ダイヤモンド砥石は変形しないので例外

砥石の面は平面であるとは限らないと考えておく必要があり、平面に修正するための作業が必要になるというわけです。

面直しの頻度は砥石の硬さ、刃物の硬さ、研ぎ方などによって変わってきますが、少し研いだら面直し、また少し研いで面直し・・というように、かなりの頻度で行う場合もあります。

砥石の面直しの方法① ~共摺り【非推奨】

さて、面直しの方法としては、同じ砥石を二つ用意してすり合わせる共摺り(ともずり)という方法が一般的です。

『凸凹の砥石が二つあるなら、互いにこすりあわせれば、どちらも平らになるよね?』

・・という発想です。

硬さの違う砥石をすり合わせると片方だけがすり減るので、同じ固さの砥石、もしくは面直し専用の修正砥石を使う必要があります。

しかし私個人的には、共摺りも、面直し専用砥石もお勧めしません

共摺りは、平らに修正できたと思っても実はできていないことが多いからです。

たとえば片方の砥石がカマボコ型にふくらみ、もう片方の砥石が凹んでいたとき、凹凸面がぴったり一致してしまうと共摺りをしていても気づくことができないのです。

共摺りは失敗しやすい

共摺りは失敗しやすい

それを解決するために砥石を三つ使う三面摺りという方法もありますが、非常に時間がかかるうえに結局はイタチごっこです。

また、面直し専用の砥石を使ったとしても同様です。面直し専用砥石は比較的固い砥石ですが、それでも結局は砥石です。いずれは(しかも意外と早く)変形します。面直し砥石を直す砥石・・などと探し始めるとキリがありません。

さくや
面直しについてはいろいろと試したよ・・面直し専用砥石、金剛砂、レンガ、コンクリートブロック、しまいには家の前のコンクリートの地面まで使ったりしたな
家の前で砥石をゴリゴリって・・不審者だわ
はろ子
さくや
でも、どの方法でもうまくいかなかった。

きちんと修正するためには、どうしても『正確な平面』が必要なんだ

砥石の面直しの方法② ~ダイヤモンド砥石を使う方法【おすすめ】

そこで、私がお勧めするのは、ダイヤモンド砥石を使って面直しをする方法です。

砥石の面直し

砥石の面直し

ここで使っているダイヤモンド砥石はツボ万のアトマエコノミー(中目)です。

アトマエコノミーは、高精度の平面をもつアルミ台にダイヤモンド面を接着しています。アルミ台は非常に硬いため、どれほど使っても凹むことはありません。

そのためアトマエコノミーは常に正確な平面が保証されており、それと砥石をすり合わせることで砥石を確実に平面にすることができます

砥石の面直しが目的の場合、ダイヤモンド砥石は新品よりも使い込んでツルツルになったものの方が適しています。そのため、面直しとして使うダイヤモンド砥石は研磨力が落ちることを心配する必要がありません。何年でも使い続けることができます。ほどよい研磨力は刃物を研ぐ際の砥泥出しにも使えてとても便利です。

ひらべったいダイヤモンド砥石が使いにくい場合は、取っ手が付いたタイプもあります。お好みで選んでみてください。

さくや
冷静になって考えてみると、取っ手付きの砥石っておかしいよな・・
刃物研ぎには絶対に使えないもんね~
はろ子

その他の面直しの方法としては、完全な平面が出ている大理石やガラス板とサンドペーパーを使う方法もあります。

ガラス板などの平面の上にサンドペーパーを貼り付けて、そこに砥石をこすりつけることで面直しをすることができます。それ専用の砥石ペーパーというものもあります。ちょっと高価に見えますが、10枚一組で、かなりの耐久力があるペーパーなのでコスパは良いです。そして余談ですが、このペーパーは鉋の下端調整で真価を発揮するすごいアイテムだったりします。

顕微鏡を利用して、研ぎを評価し改善する

自己流で刃物を研いでいると、何度も何度も研いでいるのに、研ぎが上達しない・・と感じるときがあります。

私の場合、それは刃先の状態が見えていないことが原因でした。せっかく試行錯誤しているのに、研ぎ方を変えたことで刃先がどう変化したがが見えていなかったのです。

闇雲に試行錯誤するのは不毛です。まずは刃先の状態を可視化して、客観的に評価し、改善できるようになる必要があります。

その方法として、顕微鏡を使って刃先を確認することをお勧めします。写真を撮ることも可能なので、研ぐたびに撮影して結果を残すこともできるようになります。

顕微鏡と言っても、ごく簡単なもので大丈夫です。私が使つかっているのはこちらです。

顕微鏡で客観的に観察して研ぎを改善する

顕微鏡で客観的に観察して研ぎを改善する

この顕微鏡はLED搭載を搭載しているため、刃先を明るく照らして観察することが可能です。倍率はx100~x200ですが、実際はx100があれば十分です。

上の写真ではやや不安定な形で顕微鏡を置いて観察していますが、特に問題はありません。

もし台鉋の刃を観察するのであれば、下の写真のように置いて観察すると安定します。

鉋の場合は下端の方から顕微鏡で観察すると安定する

鉋の場合は下端の方から顕微鏡で観察すると安定する

このように顕微鏡で観察すると、切れない刃物は刃先がボロボロであることがわかってきます。

切れない刃物の刃先(顕微鏡写真x100)

切れない刃物の刃先(顕微鏡写真x100)

さくや
研ぎ終わって喜んだのに、実は刃先がボロボロだったこともあるんだよ
練習しても上達しないわけだ~
はろ子
さくや
ぐ、酷いことを言う・・。そのとおりだけどね

このボロボロの状態を修正し、一直線のきれいな刃先を作るのが研ぎのゴールです。顕微鏡で観察しなければわからないことなので、ぜひ顕微鏡を傍らにおいて、観察しながら研ぎを繰り返して改善していってください。

それでは、いよいよ具体的な砥石の話に入っていきます。まずは荒研ぎからです。

荒研ぎの目的と、荒砥石のおすすめ

荒研ぎの目的

荒砥石は研ぎの最初の工程で使う砥石で、概ね#100~#300程度を使います。この砥石の目的は次の二つです。

  • 刃の形を整える
  • 刃の角度を決める

刃が欠けていたり、刃の角度がおかしくなっていたりしている刃物を正しい形に整形する、つまり切れ味以前の問題を解決するのが荒砥石です。

荒砥石で刃物を研いだ後は、下の写真のような状態になります。

荒砥で研ぐ目的と、研ぎ上がりの状態

荒砥石で研ぐ目的と、研ぎ上がりの状態

表面はヘアライン状の深い傷がついていますが、鎬面はおおむね平らになり、刃の形も整っています。ここまで整形できれば荒研ぎはおしまいです。

もし持っているのであれば回転砥石やグラインダーを使うのが手っ取り早いのですが、一般家庭にはないので、この作業を砥石で行うことになります。

しかし石で鉄を削るのは非常に大変な作業です。中途半端な荒砥石を使うと本当に苦労します。したがって、荒砥石に求めるのはなんといっても最強の研磨力です。

荒砥石のおすすめ① ~ダイヤモンド砥石

そこで私が荒砥石としておすすめするのはダイヤモンド砥石です。

ダイヤモンド砥石には電着系焼結系の2種類がありますが、ここでは電着系について紹介します。※焼結系は後であらためて登場します。

ダイヤモンド砥石(電着系)は凄まじい研磨力がある

ダイヤモンド砥石(電着系)は凄まじい研磨力がある

上の写真で使用しているのは互恵商事のダイヤモンド砥石です。面直し用、荒砥石修正用などと記載されていますが、私はこれをそのまま荒砥石として使っています。

さくや
ダイヤモンド砥石に馴染みが無いと、おどろくかもしれないね
上の写真は、何を研いでいるの?
はろ子
さくや
ノコギリ(パイプソー)の替え刃の先端を研いで、特殊な治具を作っているところ。金属であればなんでも研げるからね

ダイヤモンド砥石のメリット① 最強の研磨力

ダイヤモンド砥石のメリットは極めて強い研磨力です。手で研いでもゴリゴリと鉄を削ることができるので、刃欠けを直したり、刃の角度を変えるような場合に絶大な威力を発揮します。

たとえばこのように丸まってしまった鑿の刃でも、

研ぐ前の鑿

研ぐ前の鑿

ものの数分で平面に直すことができます。

ダイヤモンド砥石で研いだ鑿

ダイヤモンド砥石で研いだ鑿

数分って、ほんとに?
はろ子
さくや
ほんとに数分。何時間も苦労するなんてことがなくなるよ

ダイヤモンド砥石のメリット② 平面維持力

もう一つのメリットは、ダイヤモンド砥石は平面が崩れないという点です。

合成の荒砥石は粒度が粗いため、刃物を研いでいるとすぐに凹んでしまいます。凹んだ砥石では正しく研ぐことができないので都度面直しが必要となり、これが相当な手間になります。

ツボ万『アトマエコノミー』

ツボ万『アトマエコノミー』

一方で、ツボ万のアトマエコノミーのようにアルミ台をベースにしたダイヤモンド砥石は、使い続けても平面が崩れることがありません。面直しの手間が不要になるというのはとても大きなメリットです。

ただし、同じダイヤモンド砥石でも一部商品は平面が保証できないことがあるので注意です。アルミ台ではなくプラスチック台で、しかも中が空洞になっているタイプのダイヤモンド砥石は、力を加えたときに中央が凹むことがあります。

下の写真は中空タイプのダイヤモンド砥石にクランプで圧力を加えてみたところです。

ダイヤモンド砥石も、一部の商品は平面精度に疑問アリ

ダイヤモンド砥石も、一部の商品は平面精度に疑問アリ

僅かですが中央部分が凹んでいることがわかります。この状態で刃を研いだら刃が丸まってしまうので、正確な刃付けはできません。

そのかわりこういったダイヤモンド砥石は比較的安価なので、粗削り用として割り切って使うのであれば優秀な道具になります。

ダイヤモンド砥石のデメリット

ダイヤモンド砥石のデメリットは、なんといっても高価であることです。これは二つの意味があります。

ひとつは単純に販売価格が高いという意味です。ダイヤモンド砥石もピンキリですが、安いもので2,000円程度、アトマエコノミーであれば6,000円程度です。

もうひとつは、ダイヤモンド砥石はいずれ研磨力が落ちるという意味です。ここで紹介しているダイヤモンド砥石は電着系と呼ばれ、台の表面に合成ダイヤモンドを付着させた構造になっていますが、そのダイヤモンドがすり減ってしまえば研げなくなるという宿命があります。

これは安い価格帯のダイヤモンド砥石で特に顕著で、2,000円台のダイヤモンド砥石は数回使っただけで研磨力が無くなります

はろ子
それって‥砥石としてどうなの?
電着系ダイヤモンド砥石はそういうものだから仕方ないよ。安いものは使い捨てと割り切るしかない
さくや

ダイヤモンド砥石は高価なものですが、それでも荒砥石として使うならばダイヤモンド砥石をお勧めします

研磨力が弱い荒砥石を使うと、何時間研いでも荒研ぎが終わらないことがあります。中途半端な荒砥石で苦労するくらいなら、2,000円台のダイヤモンド砥石を使って数分でケリを付けるほうが楽です。

さくや
それに、実際は荒砥石を使う場面ってそんなに多くないんだよ
どういうときに使うの?
はろ子
さくや
新品の刃物を仕込むときとか、間違って刃を欠けさせたときくらいかな
それなら、道具を大切に使っていれば出番なしなんだね
はろ子
さくや
そのとおり。道具使いとしては、そうありたいものだ

おすすめのダイヤモンド砥石

自信をもってお勧めできるのは、ツボ万のアトマエコノミーです。高い平面精度があり、使い続けても平面が崩れる心配がありません。またダイヤモンド砥石にしては切れ味が長持ちするため、使い捨てのダイヤモンド砥石よりもコスパが良いかもしれません。

安価で気軽に使えるダイヤモンド砥石は、互恵商事の面直し用砥石です。砥石修正用の道具なのですが、これをそのまま刃物研ぎに使うこともできます。

研磨力は非常に強く、#120と#180の2面となっており両面とも荒砥石として使えることから荒砥石としての威力はかなりのものです。ただし切れ味は長持ちしないので、ここぞというときのピンチヒッターとして利用するのがお勧めです。

また、私はまだ使ったことが無いのですが、藤原産業のSK11両面ダイヤモンド砥石も良いようです。こちらは知人から聞いた限りではしっかりしたアルミ台の両面ダイヤモンド砥石とのことなので、平面精度がよくコスパの高い荒砥石になるかもしれません。

さくや
次回は私も藤原産業のダイヤモンド砥石を買ってみるよ

荒砥石のおすすめ② ~シャプトン黒幕#320

ホームセンターに行けば合成砥石の荒砥石も販売されていますが、一般的な合成荒砥石は研磨力が弱いため荒研ぎに向きません

しかしダイヤモンド砥石で研いだ後、中砥石に繋ぐときであれば、合成荒砥石がとてもいい働きをしてくれます。

ダイヤモンド砥石で荒砥をすると刃物に深い傷がつきます。それを次の中砥石で消そうと思うとかなり苦労するので、その前に1ステップ挟んで、合成荒砥石で研いで深い傷を消しておくのがお勧めです。

荒砥石(左:黒幕#120、右:黒幕#320)

荒砥石(左:黒幕#120、右:黒幕#320)

上の写真はシャプトンの黒幕シリーズの荒砥石2種です。

左の白いシャプトン黒幕#120は黒幕シリーズで一番荒い砥石ですが、なぜか研磨力が弱く、砥石の平面が崩れやすいこと、目詰まりしやすいことが難点なので、個人的にはあまりお勧めしません。

おすすめは右側の青いシャプトン黒幕#320です。こちらはしっかりとした研磨力と平面保持力があり、ダイヤモンド砥石から中砥石につなぐ際にぴったりです。

たとえばダイヤモンド砥石で研ぐと、刃は下の写真のように凸凹になりますが、

ダイヤモンド砥石で研いだ鎬面

ダイヤモンド砥石で研いだ鎬面

シャプトン黒幕#320で研ぐと、下の写真のように鎬面の模様が見える程度まで平面を整えることができます。まだ細かい傷が残りますが、これくらいなら次の中砥石で楽に修正できるレベルです。

シャプトン黒幕#320で研いだ鎬面

シャプトン黒幕#320で研いだ鎬面

中研ぎの目的と、中砥石のおすすめ

中研ぎの目的

中砥石は、荒砥石と仕上げ砥石の間をつなぐ砥石で、概ね#800~#3000程度を使います。この砥石を使う目的は二つあります。

  • 刃先を直線にする
  • 荒砥石で付けた研ぎ傷を消し、鎬面を平面にする

中砥石で刃物を研ぐと、刃は下の写真のような状態になります。

中砥石で研ぐ目的と研ぎ上がりの状態

中砥石で研ぐ目的と研ぎ上がりの状態

まだ表面は少しざらざらしており艶がありませんが、刃先は均一にまっすぐになります。

この段階では、まだ刃先のことを気にする必要がありません。ここでは荒砥石で付けた深い研ぎ傷が残っていないことと、鎬面が平面になっていることが重要です。

したがって中砥石に求めるポイントは、荒砥石の研ぎ傷を消せるだけの強い研磨力と、正確な平面を保持できることの二つです。

面直しで中砥石の平面を修正しながら使っていくのはもちろんですが、その平面がどれだけ長持ちするかというところもポイントになります。

中砥石のおすすめ ~シャプトン黒幕#1000

私が中砥石として長く使っており、お勧めできるのがシャプトン黒幕#1000です。

【中砥】シャプトン『黒幕#1000』

【中砥石】シャプトン『黒幕#1000』

シャプトン黒幕#1000のメリット

シャプトン黒幕#1000はかなり硬い砥石で、砥面の平面保持力に優れています

私はこれまで長い間キング砥石(レンガのような中砥石)を使ってきましたが、平面がすぐに崩れることに苦労していました。包丁を研ぐだけで、砥石の中央が大きく窪んでしまい修正に苦労したものです。

しかしシャプトン黒幕#1000ではそのようなことが起こらないので、面直しの回数を減らすことができるというのが大きなメリットです。面直しの回数が少なければ砥石の減りも少ないので、砥石としては厚さが薄いのに十分に長持ちします。

さくや
砥石が薄いと、収納するときにかさばらないというのも地味に嬉しい

そしてシャプトン黒幕#1000は、見た目以上に強い研磨力があります。キング砥石からシャプトン黒幕#1000に乗り換えたときは、その恐ろしい研磨力にゾッとしたものです。

下の写真は鉋の刃を研いでいるところですが、かなり濃い研ぎ汁が出て鋼を研ぎ下ろしているのがわかります。

中砥石で鉋の刃を研いでいる様子

中砥石で鉋の刃を研いでいる様子

中砥石で研いだ鉋の鎬面

中砥石で研いだ鉋の鎬面

上の写真のように、荒砥石でつけた深い研ぎ傷が無くなり(微細な研ぎ傷は無視してOK)、鎬面が完全な平面になり、刃先まで均一に砥石にあたるようになれば中研ぎは終わりです。

ポイント

よく研ぎの目安として『刃返りが出るまで』と表現されることがありますが、これは不十分です。鎬面が完全な平面になって刃先のすべてが砥石にあたるようになっていること、そして深い研ぎ傷が残っていないことの二点に注意して、研ぎ終わりを見極める必要があります。

シャプトン黒幕#1000のデメリット

シャプトン黒幕#1000は、しばらく使い続けると、急に砥ぐ力が落ちたと感じることがあります。

これは『目詰まり』と呼ばれる状態で、砥泥や金属の微粒子が砥石に詰まり表面がツルツルになってしまうことで起きる現象です。

こうなってしまうと面直しをしてもなかなか研磨力が戻りません。そういう時にはシャプトン黒幕シリーズの復活砥石を使ってみてください。

シャプトンの修正砥石を使うと研磨力が復活する

シャプトンの修正砥石を使うと研磨力が復活する

復活砥石を使うと中砥石の研磨力が復活します。おそらく砥石面をわざと荒らして、新しい砥粒(研磨力のある砥石の粒)を露出させているのだろうと思います。

その他の中砥石

シャプトン黒幕シリーズには#1500以上の中砥石もあります。しかし、この後で紹介するシャプトン黒幕#8000に繋ぐのであれば途中の番手は必要ありません。#1000の次に#8000を使って大丈夫です。

さくや
中砥石もいろいろ使ってみたいと思うんだけどね・・シャプトン黒幕#1000が優秀だし全然減らないので、買い足す理由が無い
中砥石をいくつか買って、使い分けたりとかしないの?
はろ子
さくや
それもいいんだけど、中砥石を揃えるくらいなら仕上げ砥石に投資したいんだよ
そっちか~
はろ子

仕上げ研ぎの目的と、仕上げ砥石のおすすめ

仕上げ研ぎの目的

仕上げ研ぎは、研ぎの最終段階です。ここでは仕上砥石として#5000~#10000程度を使います。

仕上げ研ぎの先に、いわゆる『超仕上げ』と呼ばれる段階もあります。しかしよほどのことが無い限りそこまでする必要がない(しかも超難しい)ので、本記事では割愛します。

この段階での目的は次の二つです。

  • 研ぎ傷を完全に消す
  • 刃先を顕微鏡レベルで直線にする

仕上げ砥石で研ぎあげると、下の写真のような状態になります。

仕上げ砥石の研ぎ上がり状態

仕上げ砥石の研ぎ上がり状態

研ぎ傷がほぼなくなり、鎬面は鏡のようにツルツルになります。自分の顔や新聞の文字がくっきりと映り込むくらいです。刃先は顕微鏡で観察したとしても直線になっている状態です。

この段階で、刃物としては実用レベルになります。本職の大工から見ればまだまだだと思いますが、DIYならば十分に合格ラインです。

おすすめ仕上げ砥石① ~シャプトン黒幕#8000

さて、仕上げ砥石のおすすめを紹介するのはなかなかに難しいものです。

番手が高いものであれば仕上げ砥石と呼ぶことができますが、仕上げ砥石になると扱いの難しさ(研ぎの難易度)刃物(鋼)との相性価格などの問題が出てくるため、一概に言いにくくなってきます。どんなに高級な仕上げ砥石も、使いこなせなければただの石です。

そんな中で、初心者向けにお勧めできるのはシャプトン黒幕#8000です。

仕上げ研ぎにおすすめの黒幕#8000

仕上げ研ぎにおすすめの黒幕#8000

シャプトン黒幕#8000のメリット

シャプトン黒幕#8000は、手ごろな価格ながら実用レベルで十分な切れ味出すことができます。どのような道具でも研ぐことができ、鋼の相性(向き/不向き)も特に出てきません。

仕上げ砥石で鉋の刃を研いでいる様子

仕上げ砥石で鉋の刃を研いでいる様子

そしてシャプトン黒幕#8000は仕上げ砥石にしては軟らかい研ぎ味で、砥泥が出やすく初心者でも扱いやすい砥石です。

この砥石で刃を研いだ西洋鉋の刃を顕微鏡(x100)で観察すると、このような仕上がりになっています。

シャプトン黒幕#8000で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

シャプトン黒幕#8000で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

研ぎ傷はほぼ消えており、刃先もそこそこ直線になっています。これならば十分に実用レベルの切れ味が出せます。

シャプトン黒幕#8000のデメリット

シャプトン黒幕#8000は扱いやすい反面、仕上げ砥石としてはやわらかい部類になるので、カチッとした刃を付けるのには向いていません。最高の切れ味を目指すのであれば、もう一つ砥石が必要になります。

また、シャプトン黒幕#8000は水に弱い(?)ので濡らしたまま放置してはならないという点に注意してください。水を吸ってふやけてしまう性質があるので、使用時にすこし水をかける程度、使用後は水をふき取ってよく乾かすようにしてください。

おすすめ仕上げ砥石② ~天然砥石

【天然砥石】丸尾山『敷内曇』

【天然砥石】丸尾山『敷内曇』

仕上げ研ぎのレベルになると、天然砥石が選択肢として入ってきます。

もともとが天然モノなので、天然砥石は合成砥石と違って番手が決まっていません。採掘された山と、どの層から掘り出したかによって大まかに性能がわかるようになっています。

上の写真は私が使っている天然砥石の一つで、京都丸尾山の天然砥石『敷内曇』(しきうちくもり)です。『敷』というのは深い層から採掘された石という意味で、『内曇』は購入した店(砥取家)の商品名です。

天然砥石なので番手は不明ですが、使った感覚としては#2,000~#10,000程度です。中砥石と同程度の強い研磨力を持ちつつ、非常に鋭い刃を付けることができるのが特徴です。

合成砥石(シャプトン黒幕#8000)と天然砥石(敷内曇)の違いは、顕微鏡写真で比べてみるとよくわかります。

まず、シャプトン黒幕#8000で研いだ西洋鉋の刃先を顕微鏡(x100)で観察した写真がこちらです。※先程見せた写真と同じものです。

シャプトン黒幕#8000で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

シャプトン黒幕#8000で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

刃の先端をよく見るとわずかに凹凸があり、丸みを帯びているのがわかります。

次に、天然砥石(敷内曇)で仕上げた西洋鉋の刃先を顕微鏡(x100)で観察したものがこちらです。

天然砥石(敷内曇)で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

天然砥石(敷内曇)で仕上げた鉋刃の顕微鏡写真(x100)

刃先がさらに直線になり、丸みが取れてシャープになっています。もちろん、実際の切れ味もシャプトン黒幕#8000を上回ります

強い研磨力と、合成砥石以上の切れ味を出すことができるのが天然砥石の魅力です。

天然砥石のデメリット

天然砥石は採掘量が減っており、希少性のためにとても高価になっています。一部のWebサイトでは通信販売もされていますが、海外からの買い付け(買占め)を避けるために在庫表示はされないことが多くなっていますので、購入する場合はメール等で問い合わせをする必要があります。

また天然砥石は個体差が大きく、使い手との相性、鋼との相性などアタリハズレがあります。試し研ぎをしたうえで購入するのであればよいのですが、そうでない場合はイチかバチかの賭けになる可能性があります。購入する際は、できるかぎり信用できる販売店から購入するようにしてください。

しかしこういったデメリットがあるにしても、やはり天然砥石には魅力があります。今後ますます入手は困難になりますので、もし興味があるのであれば早めに入手することをお勧めします。

おすすめ仕上げ砥石③ ~革砥(ストロップ)&コンパウンド

ちょっと変わった方法として、革砥(ストロップ)を使う方法があります。剃刀やナイフを扱っている方にとってはなじみ深い道具かもしれません。

革砥(ストロップ)とコンパウンド

革砥(ストロップ)とコンパウンド

革砥は砥石よりも扱いが簡単で、驚くほど切れ味が良くなります。私が使用している革砥はこちらです。

この革の表面に、コンパウンドと呼ばれる研磨剤を塗って使用します。

革砥(ストロップ)にコンパウンドを塗る

革砥(ストロップ)にコンパウンドを塗る

コンパウンドにもいくつか種類がありますが、仕上げ研ぎ用として革砥を使うのであれば、コンパウンドは青(緑)色の物を使います。

青棒はちょっとベタベタしますので、私は梱包用のビニールテープを巻き付けて使っています。そのコンパウンドをゴリゴリと革砥にこすりつけ、全体的に研磨剤を付けたら準備完了です。

革砥(ストロップ)を使った研ぎ方

革砥の研ぎ方は、砥石とは全く異なります。砥石の場合は刃物を前後に動かして研ぎますが、革砥で研ぐ際は必ず一方向のみに動かして研ぎます。

革砥(ストロップ)は一方向で研ぐ

革砥(ストロップ)は一方向で研ぐ

上の写真は西洋鉋の刃を研いでいるところです。西洋鉋の刃の鎬面を革砥にしっかり押し付けて、ゆっくり奥から手前に引きます。特に刃先側に力をかけるのがコツです。

手前まで引き終わったら、いったん持ち上げて、また奥から手前に引く・・を繰り返します。

はろ子
どうして一方向にしか動かさないの?
刃物を刃先方向に動かすと、刃先が革に食い込んでえぐってしまうからだよ
さくや
はろ子
刃先と反対方向に動かせばいいのね。もし刃先が手前側にあったら?
その時はもちろん『押し』だけで研ぐことになるね。研ぎのスタイルにあわせて『引き』と『押し』を切り替えるといい
さくや

数回研ぐだけで、鎬面が鏡のようにピカピカになります。わずかに刃返りも出るので、刃裏の方も慎重に研ぎます。

革砥(ストロップ)に鉋刃の裏を押し付けて研ぐ

革砥(ストロップ)に鉋刃の裏を押し付けて研ぐ

さくや
上の写真で、刃がピカピカになってるのがわかるでしょ
ほんとだ!すごい
はろ子

砥石(シャプトン黒幕#8000)で研いだ鉋刃と、革砥で研いだ鉋刃を顕微鏡で見比べると違いがよくわかります。

まず、シャプトン黒幕#8000で研いだ西洋鉋の刃先を顕微鏡(x100)で観察した写真がこちらです。※先程見せた写真と同じものです。

シャプトン黒幕#8000で研いだ鉋刃(顕微鏡写真x100)

シャプトン黒幕#8000で研いだ鉋刃(顕微鏡写真x100)

次に、革砥(ストロップ)で研いだ西洋鉋の刃先を顕微鏡(x100)で観察した写真がこちらです。

革砥で研いだ鉋刃(顕微鏡写真x100)

革砥で研いだ鉋刃(顕微鏡写真x100)

先程と比べると、刃先がシャープになっていることがわかります。シャプトン黒幕#8000よりも明らかに鋭い刃が付いています。

正直言って、革砥を使って刃物を研ぐ方法は、砥石を使って研ぐよりもはるかに手軽で簡単です。

刃先も十分に鋭くなるので、単純に切れ味が欲しいのであれば革砥を試してみる価値は十分にあります

さくや
なんか反則な気がして悔しいんだけどね
かんたんに切れ味がよくなるなら、いいんじゃないの~
はろ子
さくや
う~ん・・

強いてデメリットをあげるなら、柔らかい革で研いでいるので正確な平面を作ることはできないという点でしょうか。

私は砥石で研いでから革砥で仕上げ研ぎをしていますが、もし革砥だけで研ぎ続けたら刃は次第に丸まっていくのではないかと思います。

はろ子
もともと刃が丸いなら問題ないよね!
そうだね。西洋のナイフであれば、革砥がベストなんだと思う
さくや

裏押し用砥石のおすすめ

さて、仕上げ砥石まで紹介しましたので、ここからは視点を変えて刃裏を研ぐための砥石について紹介していきます。

刃裏を研ぐ際には特別な注意が必要となります。そしてこの刃裏を研ぐ作業のことを『裏押し』と呼びます。

裏押しとは

裏押しとは、鉋や鑿の刃裏を研ぐことを指す言葉です。通常の研ぎとは異なる考え方が必要なので、あえてこのような呼び方をします。

片刃の刃物は刃裏も平面にする必要があるというのは最初に説明した通りです。

では、これまで紹介した砥石で刃裏を研いでよいかと言うと、答えは『ダメ』なんです。

刃裏は、鉋や鑿といった刃物にとって、最も重要な部分です

刃裏は完全に正確な平面でなければならず、また一切の傷が無いことが絶対条件となります。

刃裏が歪んでいたり傷があったりすると、鎬面をいくら研いでも刃先が正確な直線にならないからです。

そのため最初に注意しておきますが、刃裏は絶対に粗い砥石で研がないでください。もしガタガタに崩れていたとしても、最大限譲歩して中砥石以上です。

裏押しの方法は大きく分けて二つあります。金盤と金剛砂と押し棒を使う方法と、正確な平面の出ている最も硬い砥石を使う方法です。

裏押しの話をするのであれば裏スキの話も必須だろうと思われる方もいると思いますが、ここでは割愛します。

一つだけ言っておくとすれば、『裏スキは大事にしようね!』ですね。

裏押しの方法① ~金盤と金剛砂を使う方法

金盤と金剛砂と押し棒を使って裏押しをする方法

金盤と金剛砂と押し棒を使って裏押しをする方法

一つ目の方法は金盤金剛砂押し棒を使う方法です。

金盤は分厚い鉄の板で、裏押し用に正確な平面が出されているものを使用します。金剛砂は(かなり粗い)砥石の粉のようなもので、ホームセンターでも販売されています。押し棒は適当な端材でも大丈夫です。

金盤に金剛砂を少量乗せ、水滴を数滴たらし、その金剛砂の上に刃物を載せ、押し棒を使って全力で裏を研ぐという方法です。写真での説明が難しいので、詳しい方法が知りたい場合はこちらの書籍を読んでみてください。

金剛砂、水滴、押し棒の使い方を写真付きで説明しているので、これを読めば裏押しの方法がわかります。写真に写っている方の苦悶の(?)表情から、裏押しがどれだけ大変な作業かがわかります・・

私も実際に試してみました。

金盤と金剛砂を使って裏押しを行った鉋刃

金盤と金剛砂を使って裏押しを行った鉋刃

見様見真似で試したという形ですが、たしかに刃裏が平らになり、鏡のように仕上がるのがわかりました。

上の写真の鉋は裏出しの練習も兼ねており、裏を出しすぎた(失敗した)ために酷いベタ裏になっています。また、裏押しも決して良い仕上がりではありません。やっぱり裏押しは難しいです・・・

なお、金盤を使った裏押しをする場合、その金盤が正確な平面であることが必要です。金盤も使っていくうちにすり減るため、定期的に金盤自体の修正も必要になることは覚えておく必要があります。

さくや
そんなわけでいろいろ大変だから、私は最近もっぱらダイヤモンド砥石を使って裏押しをするようになったよ

裏押しの方法② ~ダイヤモンド砥石を使う方法

もう一つの裏押しの方法は、ダイヤモンド砥石を使う方法です。

さくや
正確な平面が保証されている砥石と言えば、ダイヤモンド砥石だからね

ただし、以前紹介した電着式ダイヤモンド砥石は粒度が粗いため使えません。というか、間違っても使わないでください

裏押しをする際は、焼結ダイヤモンド砥石という特殊な砥石を使います。これはダイヤモンドの砥粒を樹脂で焼き固めたもので、電着ダイヤモンド砥石と比べるとかなり高価になりますが、研磨力が落ちることが無いというのが特徴です。何年でも続けられると思えばコスパの良さを感じられるはずです。

私が使用しているのはナニワ研磨工業のエビ印焼結ダイヤモンド角砥石#6000です。

エビ印焼結ダイヤモンド砥石#6000は高価だが裏押しに最適

エビ印焼結ダイヤモンド砥石#6000は高価だが裏押しに最適

このエビ印焼結ダイヤモンド角砥石#6000があれば刃物の裏押しをすることができるようになります。ダイヤモンド砥石なので、平面が崩れる心配が無いという点がとても重要です。

このエビ印焼結ダイヤモンド角砥石#6000で裏を研いだ鉋の刃裏はこのようになります。

焼結ダイヤモンド砥石で裏押し

焼結ダイヤモンド砥石で裏押し

刃裏は完全な平面で鏡面となります。よく見ればわずかな研ぎ傷が残りますが、通常は問題にならないレベルです。これ以上の仕上げを追求する場合は、さらに上の超仕上げ砥石を使うことになります。

なお、ナニワの焼結ダイヤモンド砥石は#6000より下のラインナップもあります。より強い研磨力が欲しいのであれば#3000や#1000を使うのもおすすめです。(ただし財政的に辛いものがありますが・・;

まとめ

以上、研ぎの重要なポイントとお勧めの砥石について紹介しました。

ここで紹介した砥石を使えば、実用上十分なレベルの切れ味を出すことができるはずです。

しかし刃物と言っても様々なものがあります。刃の鋭さよりも耐久力が重要になるもの、刃先が滑らかな直線でなくギザギザの方がよいもの、スクレーパーのように刃先が反りかえっている方が使いやすいものなど・・道具によって最適な刃も変わってきます。

重要なのは、決まった方法に従って闇雲に研ぐことではなく、どういう刃が理想なのかを考えながら研いで自己研鑽を積み上げることだと思っています。

この記事で記載されていることをベースに、自分なりの研ぎ方を見つけていただけると嬉しいです。

なお、様々な砥石を使う際にはフリーサイズの砥石台があるとすごく便利です。もし興味があればこちらの記事を読んでみてください。

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刃物を研ぐときには、砥石をしっかり固定できる砥石台(研ぎ台)が必須です。市販の砥石台をタイプ別で紹介しつつ、どんなサイズの砥石でも固定できる自作砥石台の作り方を紹介します。

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また、鑿を例にして初心者向けの研ぎ方を紹介した記事がこちらになります。是非あわせて読んでみてください。

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本格的な木工に欠かせないのが鑿(のみ)ですが、鑿は刃を研ぐのが至難の業です。そこで初心者でもできる鑿の研ぎ方を考えました。経験がなくても、誰でも同じように鑿を研ぐことができる方法を紹介します。

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参考書籍

『木工手道具入門』(大工道具研究会編/誠文堂新光社)

タイトルだけ見ると木工手道具に関する『浅く広く』の本のように見えますが、見た目以上に内容は濃いものになっています。

特に研ぎに関しては写真付きで具体的に記載されており参考になります。木工手道具に関して、最初の一冊として購入するのにお勧めできる一冊です。

『大工道具仕立ての技法』(手柴正範著/誠文堂新光社)

大工道具の曼陀羅屋というお店があります。大工道具を扱う方ならば知らない方はいないというくらい有名なお店で、その店主ご自身がまとめた大工道具仕立ての指南書です。

研ぎの基本から各種道具の仕立ての具体的手順まで、かなり細かく記載されています。初心者にはやや難しい内容で、ある程度道具を使ってから改めて読む方が腹落ちしやすくなります。

『大工道具・砥石と研ぎの技法』(大工道具研究会編/誠文堂新光社)

とにかくひたすら砥石の本です。天然砥石だけでなく、合成砥石、ダイヤモンド砥石も含めて各種砥石が網羅的にまとめられています。内容の8割くらいは砥石の紹介なんじゃないかなと思います。

砥石好き(特に天然砥石好き)ならば当然読むべき一冊です!ただし、この本が研ぎの参考になるかと言うと微妙です・・。

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さくや

DIYと木工と刃物研ぎとキャンプが趣味のシステムエンジニア。賃貸住宅でもできるDIYをメインテーマに、DIY特化ブログを運営しています。 相方のこのはは記事作成の他にブログのイラストを担当。ココナラとスキルクラウドで出品もしています。ぜひご利用ください

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