こんにちは、このはです。
賃貸物件でもできるリビングDIYを紹介してきましたが、いよいよ大物家具「食器棚」の紹介です。
私がDIYを始めたはじめの頃に作ったものです。作るのは難しそうにみえますが、木材カットはホームセンターにほぼおまかせなので、基本のDIY道具があれば作ることができます。
私が持っている食器の大きさに合わせて棚を作ったので、高さ900mmという低めの設計でも5人分の食器を収納してスペースが余るほどです。
もったいないので余った場所にはゲーム機や日用品を収納してます。 リビングの一等地を占めるケーブルだらけのゲーム機。そのままだとごちゃごちゃしてしまいますが、このマグネットで脱着できるお洒落な木箱ならケーブルもおしゃれに収納できます。低予算で簡単に作れますので、DIY初心者の方にお勧めの内容です。 続きを見る
ゲーム機の収納におしゃれ木箱をDIY~マグネット脱着式~
それでは作り方を紹介します!
作品情報
【難易度】 (初級~中級者向け)
【予算】10000円
【製作期間】約5日
【主な材料】
- 栂(つが)等の角材
- 杉の貫材
- 合板(厚さ4mm)
- ワトコオイルなどの塗料
【主な道具】
- 電動ドリルドライバ(インパクトドライバーでもOK)
- 作業台&クランプ
- ノコギリ
こんな方におすすめ
- 木材でおしゃれな食器棚をDIYしたい
- デッドスペースをなくして食器の収納力を上げたい
- こだわりの食器を見せる収納したい
目次
食器棚の設計
食器棚を作るにあたって、絶対外せないポイントがありました。
- 家具の高さを低く抑えること(地震が怖い)
- 扉にマグネットキャッチを付けること
- 掃除しやすいこと


このポイントを頭の中に入れて、家具屋さんやホームセンター、雑誌などを見ながらイメージを思い浮かべていきました。
思いついたアイデアは、できるできないは別としてメモしておきます。
イメージが固まってきたら、置く場所と置きたいもの大きさを測って数字入りの設計図を作ります。設計図を書くときは方眼紙があるといいですね。

食器棚数値決め
収納したいものに合わせて棚板の高さを決めるのでデッドスペースがぐっと減ります。
後で高さを調整することはできますが、しっかり計測してここで高さを決めておきましょう。
設計図の作成

手書きの設計図
設計図を何度か描き直して、最後は上の図のような食器棚を作ることにしました。
ちなみに、この当時はcaDIY3Dを持っていなかったので設計図は手書きでした。
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caDIY3Dの機能と使い方 ~DIYの設計と木取り図作成にお勧め!
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CaDIY3Dなら複雑な設計図も簡単!




木とり図もボタン一つ




CaDIY3Dでの食器棚
食器棚は置く場所に合わせて幅1200(mm) x 奥行き360 x高さ900で設計しましたが、このあたりの数字は手に入る木材と手持ちの食器と相談して決めてください。
木とり図作成
設計図と見比べながら、どのように木材からパーツを切り出すのか図に書きます。木とり図の作成です。
近所のホームセンターに置いてある木材の種類とサイズはあらかじめメモしておくことをお勧めします。

手書きの木とり図
当時作った手書きの木とり図らしきものはこれしか残ってなかったので、CaDIY3Dにちょっと助けてもらいます。

caDIY3Dの木とり図
木とり図の例として、杉の貫材部分をCaDIY3Dに作成してもらいました。
手書きの場合も、できるだけ端材が出ないようにカットする場所を決めます。

全ての木材の木とり図が出来上がったら、ホームセンターなどに買い出しに行きましょう。
カットサービスがある場合はどんどん利用しましょう。持ち帰りも楽になります。
木材の下準備
木材を乾かす

木材を乾燥させる
今回メインに使用する杉の貫材ですが、湿っていることが多いのでまずは乾燥させましょう。

湿っている木材はずっしりと重いのですが、乾燥すると色が白っぽくなって軽くなります。
切り欠き加工

切り欠き加工
今回の設計で下の棚の一部分は切り欠き加工が必要だったので、ノコギリで四角く切り落としましょう。
角材のサイズが30x30なので、そのサイズに合わせてノコギリで切り落しておきます。
サンダがけ

アミ目両面やすり#80
乾燥が終わったら木材にやすりをかけて表面を滑らかにします。こうすることで塗料が染みこみやすくなり、ケガの防止にもなります。
毎度おなじみ電動サンダ+網目両目ヤスリ#80ならあっという間です。
木材が乾いたら、どの部分に使う木材なのか間違え防止のために木材に番号を振っておきます。
これで木材の準備は整いました。次は組み立てですが、扉の部分はちょっと難しいので先に本体を組み立てていきます。
組み立て(本体)
本体の組み立て

下から順に組み立て

このままだととても分かりにくいので、caDIY3Dで組み立て方を説明します。
食器棚の組み立ては下の棚の部分から組み立てました。
組み立てる位置に墨付け(鉛筆で印や線を引く)をして電動ドライバーを使ってボンドとビスで固定していきます。
杉材は割れやすいので下穴をあけてからビスを打ちます。

caDIY組み立て1

caDIY組み立て2
下の部分の外枠を作って、貫材をビスで打ってがたつきのない土台にしていきます。

caDIY組み立て3

caDIY組み立て4

caDIY組み立て5

クランプを使ってボンドで接着する
ビスが打てない部分はボンドで接着しました。ボンドは塗った後に圧力をかけないとしっかりくっつかないので、クランプを使って圧力をかけます。
大きいものをクランプするときには、自作クランプを作っておくと便利です。


自作クランプ
はみ出たボンドはぬれタオルでしっかりふき取りましょう。ボンドを残したまま塗装すると、ボンドがはみ出た部分は色むらになってしまいます。

ビスはダボ埋めで隠す
ビスを打った部分でビスが目に付く所はダボ埋めで隠しました。
丸棒がささっている部分はダボ埋め中のところです。手間に見えますが、慣れるととっても楽しい作業です。

ダボ埋めの仕方
ダボの部分はホームセンターで売っている丸棒を使ってもいいので、ここでチークの丸棒を使って作品のアクセントにすることもできます。
ダボを切るときは、必ずあさりなしノコギリを使ってください。ゼットソーのライフソークラフトがおすすめです。ダボを切るときはノコギリをしならせながら切ります。

ダボ埋めすると写真のようになります。塗装するとダボの部分は塗料が染みこんでちょっと黒くなりますが、それがまたいい感じになります。
ダボを切り落とした後は軽くやすりがけしてならしておきましょう。

ダボ埋めのあと
食器棚の角はとがって危ないので、角の部分は鋸(のこ)やすりで削って丸くしました。




裏にベニヤを打ち付けて本体組み立て完成
棚受けの部分と裏のベニヤを打ち付けて、本体の組み立ては完成です。
棚板の組み立て

棚の作り方
写真が残っていないのでcaDIY3Dの登場です。
杉板三枚を並べたら、角材を打ち付けて棚板を作ります。
杉材はけっこうしなるので、食器棚の棚受けに乗せてみて現物合わせで調整します。

次はいよいよ扉作成です。
扉の作成

扉の設計図

扉の作成、これが食器棚づくりの中で一番の難所でした。
悩んだ末、ダボ継ぎとボンドで扉の枠を接着することにしました。


扉は中の食器がちらっと見える風にしたかったので、Φ6mm丸棒で格子戸のようにしました。
このとき丸棒を挿す穴を垂直に開けなければいけないのですが、これが治具なしでは難しいです。
そこで、丸棒の穴あけにはドリルガイドを使いました。ドリルガイドを使用すると、決まった深さの穴を垂直に木材の真ん中にあけることができます。


ドリルガイド・垂直に決まった深さの穴をあけることができる
仕上げに鉋で面取りして角を丸くしました。

等間隔に穴をあける
写真のようにかなりギリギリの所に穴をあけるので、精度と集中力のいる作業です。


パーツがそろったらダボ継ぎで組み立てて扉の完成です。
塗装と仕上げ
塗装

裏の塗りにくい所から塗装
ひっくり返して裏側の塗りにくい所から塗っていきます。
使用した塗料は毎度おなじみワトコオイルのドリフトウッドです。ワトコオイルが乾いたらブライワックスのアンティークマホガニーを塗りました。

ワックスを塗って塗装終了
大物家具を塗るのはとっても大変です、床には新聞紙とレジャーシートを敷いてその上で作業しています。
扉の取り付け

蝶番で扉を付ける
塗料が乾いたら、扉に取っ手を付けます。そして食器棚本体に蝶番で取り付けます。


完成
完成です!ちょっと和風な落ち着いた食器棚ができました。


食器の収納
100均のかごをアレンジ

Tシャツヤーンで100均かごカバーを作成
食器棚に食器を収納していくのですが、この食器棚は格子状の扉なので外から食器が見えます。
見せたい食器はそのままでもよいのですが、カラフルな食器は100均のプラスチックケースに入れて収納することにしました。
100均プラスチックケースもそのままでは目立つので、Tシャツヤーン(ズパゲッティなど)でカバーを編みました。

収縮性のある糸なので、プラスチックカバーをすっぽり覆える

食器棚に合わせた糸で編んでみよう!
目立ってしまうプラスチックケースも、カバーを編むと食器棚の雰囲気に合わせた食器ケースに変わります。
極太糸はクッション性があるので、他の食器に触れたときも衝撃を吸収してくれます。
カトラリーケースをクラフトバンドで自作

クラフトバンドで作成
上段の高さはカトラリー類の収納用に低めにしたので、その高さに合わせたカトラリーケースを『クラフトバンド』という紙バンドで作成しました。
軽くて丈夫でカトラリーケースにぴったりです。
食器類の収納グッズもぴったりサイズで自作すると、収納力がアップします。

こうして我が家に食器棚が誕生しました。
デットスペースを減らして収納力をアップさせつつ、木材オイル仕上げなので部屋の雰囲気もガラッと変わりました。
作り方としては難しいことをしていないので、ぜひ自分にとって必要なサイズの食器棚を作成してみてください。
