さくや(@sakuyakonoha77)です。
突然ですが、クランプ欲しくないですかーっ!?
欲しいですよね? いくつでも欲しいですよねっ?
じゃぁ作りましょう!
はい、というわけで、この記事では私が使っている自作木工クランプの作り方をご紹介します。
私が道具も技術もない駆け出しのころに作ったものなので、作り方はとても簡単!ホームセンターで木材をカットしてもらえば道具が無くても作れてしまいます!
DIYを始めたばかりの方でも大丈夫なので、ぜひ参考にして作ってみてください。
自作木工クランプの設計図
設計図はこの通りです。金具は設計図上では省略しています。
厚さ9mmの板を重ね合わせて作っています。上記サイズは一例なので、サイズは自由に変更して問題ありません。
板の間にスリットがあり、ここに二本のネジを通すことになります。スリット状にしているためネジを自由に動かせて幅調整ができるのがポイントです。
丸い穴をあけてネジを通すタイプの自作クランプもありますが、その方法だとネジが穴に引っかかりスムーズに動かないこと、幅調整できないことがネックになります。ここで紹介しているクランプはそれを解消するために工夫したものです。
注意点はただ一つ、板の厚みです。
今回はM8規格(直径8mm)の全ネジを使うので、板の厚みは8mmよりも少し大きい9mmがちょうどよいです。9mmの板材や合板から必要な部品を切り出しましょう。
自作木工クランプの材料
自作木工クランプに必要な木材
木材は何でもOKですが、強度がある方がよいので9mm厚の合板か、パイン集成材がよいでしょう。
木取り図はこの通り。300mm x 30mm の部品をたくさん切り出しただけです。木取りの際は長手方向に木目が通るようにして、折れにくくたわみにくくなるようにしましょう。
30mm x 30mmの部品も必要になりますが、それは余った300mmの材料から必要数切り出せばよいという魂胆です。もちろん、そのカットをホームセンターにお願いしても構いません。
1セットのクランプを作成するのに300mmの部品が4本、30mmの材料が6個必要になります。上記の通り300mmの材料を21本切り出しておけば、4セットのクランプを作ることができます。
自作木工クランプに必要な金物
全ネジ
全ネジとは、頭の無いなが~いネジです。ホームセンターで販売されています。1メートル、もしくはもっと短い長さで販売されています。
大型のクランプを作る場合は1メートルの全ネジがそのまま利用できます。以前、ベッド下収納を作った際に使用したクランプは1メートルの全ネジをそのまま利用しました。
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小物作成がメインの場合は1メートルのクランプは使いにくいので、全ネジを半分~1/3程度にカットして使うとよいです。
全ネジのカットをホームセンターに任せられれば楽ですが、金属用のノコギリがあれば自分で加工することも可能です。具体的な切り方は後で紹介します。
4セットのクランプを作成する場合はM8規格の全ネジが8本必要となります。
全ネジは後で紹介する『高ナット(長ナット)』を使うと連結することもできます。小が大を兼ねるので安心ですね。
蝶ナット
蝶ナットはクランプを締め付けるための金具です。
ナットを回すことでクランプを締め付けるわけですが、ちょっと困るのは『たくさん回さなければならない』ことです。
その点、蝶ナットは指で勢いよくはじくことで一気に移動させることが可能です。こんな感じです。
クランプを4セット作る場合はM8規格の蝶ナットが16個必要になります。
ワッシャー
ワッシャーはナットと木材の間に挟む金具です。座金と呼ぶこともあります。
これが無くてもクランプを使用することはできますが、締め付けるときにナットが木材に食い込むのが嫌なので挟んでいます。
ナットと同じ数必要となりますので、4セットのクランプを作る場合はM8規格のワッシャーが16個必要です。
自作木工クランプの作り方(簡易Ver.)
最初にも説明したとおり作り方はとても簡単です。道具がなくても作れるので、まずは道具を一切使わない作り方を紹介します。
木材はすべてホームセンターでカットしてもらいましょう。300mm x 30mm の木材を16個、30mm x 30mmの木材を24個、カットしてもらってください。
次に、長さ300mmの木材ひとつと、長さ30mmの木材を、ボンドでこのように接着します。
接着して20分~30分待ったら、さらに300mmの木材を乗せるように接着します。
これで完成です!同じものを計8つ作成すればOKです。簡単ですよね。
このクランプをすぐに使いたい方は、下にある自作木工クランプの使い方までスキップしてください。
自作木工クランプの作り方(こだわりVer.)
ここからは、こだわりの方向けの作り方説明です。
ここで紹介する『全ネジの加工の方法』は役に立つと思うので、全ネジをカットする場合は読んでみてください。
そのあとの仕上げ加工は、クランプの実用性という意味ではほとんど意味がありません(笑
全ネジの加工
全ネジをカットする必要がある場合は、金属用のノコギリを使います。
ただしそのまま全ネジを切ろうとすると、切りにくくて苦労します。
そこでお勧めするのは、木材をカットするときに使用する直角切り治具を利用する方法です。
直角切り治具と全ネジを作業台にクランプすることで、全ネジとノコ刃がブレるのを抑えることができます。
直角切り治具についてはこちらで詳しく紹介していますので、あわせて読んでみてください。
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ただしノコギリで全ネジを切るとバリが残ることがありますので、その場合はヤスリでバリを取ってください。ついでに断面の面取りもしておくとよいです。
この調子で全ネジをカットしていき、計8本用意します。
木材の加工
材料の寸法を揃える
先程紹介した作り方(簡易版)の木材は、ホームセンターでカットしてもらったとはいえ、多少の寸法誤差があります。まずはこの寸法誤差を鉋と治具を使って正確に切り揃えます。
ここで使っている治具は鉋用の削り台です。材料の幅を正確に切り揃えることが可能です。詳しくはこちらで紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
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木材部品の仕上げ
木材の組み立ては、上で説明した作り方(簡易版)と同じです。クランプを持っている方は材料接着の際にクランプを使いましょう。
接着した後は、三枚重ねになった部品の両端をノコギリで1mm程度切り落とし、断面を切りそろえます。
そのあと表面を鉋で削って段差をなくし面一(ツライチ)にします。
最後に、鉋で面取りをして完成です。木口面は面倒なので8本まとめてやっちゃいましょう。端が割れないように注意してください。
自作木工クランプの使い方
このクランプを使うには、部品をこのように組み立てます。
同じものを4セット作成すれば準備完了です。
使い方を言葉で説明するのは難しいのですが、なんとなくわかるかと思います。木製のクランプの間に材料を挟み、両側の蝶ネジを締めて使います。
大きなクランプを作るときは、合板を使うのが簡単です。カットした断面はササクレやすいので注意してください。
これらのクランプは箱作りや板材のはぎ合わせで特に威力を発揮します。ぜひ様々なサイズを作って使ってみてください!