さくや(@sakuyakonoha77)です。
室内で木材を切るとき、どこでノコギリを使うかで悩みませんか?私はテーブルの上で使える小型の作業台を自作して使っています。
ワークベンチほどの場所をとらず、任意の場所でクランプ可能、そして切りくずの掃除も楽なのでとても重宝しています。
予算720円程度で作ることができて、今後ずっと頼りになる!
そんな作業台の自作はDIYの入門として最適なので、図面付きで詳しく紹介します。
こんな方におすすめ
- 室内でノコギリを使いたいが、どこで作業すればよいかで困っている方
- 木材をクランプするのにいい場所が無くて困っている方
- DIY入門として、簡単な道具を作ってみたい方
目次
室内DIYをするなら、テーブルの上で使う作業台がおすすめ
室内でDIY作業をする方は多いと思いますが、ノコギリで木を切るとき、どこで作業をすればよいか困るものです。
木を切るにしても、穴をあけるにしても、とにかく木材は何かに固定する必要がありますので。
多くの方はテーブルにクランプで固定するか、椅子や台に木材を乗せて足で押さえたりしているのではないでしょうか。


そこで、手軽にガッチリ木材を固定して、作業をしやすい環境が欲しくなるというわけです。
工房があって作業台があって‥という恵まれた環境はなく、自宅でどうやってDIYをしようかと悩んでこの記事を読んでいるのなら・・
『テーブルの上』でクランプできる小型作業台を作ることをお勧めします!
作り方は簡単で、低予算で作ることができますので、これからDIYをやってみたいという方はぜひ作ってみてください。
作業台の作り方
完成イメージ
今回作成する作業台のイメージは、このようになります。

今回作成する作業台(改良版)
ちなみに、こちらはcaDIY3Dで作成した設計図です。DIY専用の設計ソフト、caDIY3Dについてはこちらで紹介していますのでDIYの設計で苦労している方は読んでみてください。
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caDIY3Dの機能と使い方 ~DIYの設計と木取り図作成にお勧め!
かんたんに直感的に使えるDIY設計ソフト『caDIY3D』のご紹介です。設計、木取り図作成をものすごく!かんたんにしてくれるソフトです。DIY初心者の方にはもちろん、これまで苦労されてきたベテランの方にもおすすめです。
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この作業台は、4辺すべてでクランプ可能にし、さらに中央でのクランプも可能にしています。どのような木材でも、好きな位置でクランプできるというのが特長です。

どこでもクランプできるのでとても便利!
これを実現するために2x8という幅広のSPF材を使用します。SPF材の幅が狭いと横からはみ出させることが難しいため、幅広の材にしています。
台座の高さは、今回は1x4の幅をそのまま利用しています。テーブルの上で使うのであればこれで十分ですが、もし床に置いて使いたい場合はもう少し高くした方が使いやすくなります。
ベランダ(屋外)や床で使う場合は、ベンチくらいの高さがあった方が作業しやすいですね。その場合は、上記の枠組みに、さらに縦の脚4本を足して高さを上げてみてください。



作業台の設計図
さて、まずは台座の設計図です。

台座イメージ。1x4のみで作ります。

台座の俯瞰図と寸法
次に、天板の設計図です。

作業台の俯瞰図と寸法
木取り図
木取り図はこのようになります。

自作作業台の木取り図
今回の材料はとてもシンプルです。
台座の1x4と、天板の2x8を使用します。すべてSPFで作成した場合、材料費は約720円になります。(ビス費用を除く)


残念ながら
上記の材料費は、この書いた2019年当時の価格です。当時はウッドショック前だったので低コストで作ることができました・・
組み立て方
まずは1x4で台座を組み立てます。

台座。1x4のみで作ります。
台座の組み立ては、木工ボンド+ビスでOKです。
特に難しいことはないと思いますが、一つだけ注意点があります。
詳しくは後述しますが、天板と台座をビスで固定する場合、この後で天板を取り付ける際に打ち込むビスが、台座のビスと干渉しないように気を付ける必要があります。
天板を取り付ける
次に、台座に天板を乗せて固定します。
天板で使う2枚の2x8の間に、3~4cm程度の隙間を開けることがポイントです。これによって、作業台の真ん中でクランプが使えるようになります。
作業台を上から見ると、このようになります。

作業台の俯瞰図
天板と台座の接合はビスを使うのが簡単ですが、ダボ継ぎを使えば天板にビスを出さずに作ることができます。今後作業をする際に、材料とビスがぶつかることがないというのがメリットです。ビスを使う場合は、ビスをしっかり天板に埋め込むようにすれば問題はありません。

ただし、ビスで固定する場合は注意点があります。天板に打ち込むビスの長さと位置によっては、下の台座のビスと干渉してしまうのです。

ビスの打ち方と注意点
これを避けるためには、台座のビス2本を下寄せで打つか、天板に打ち込むビスの位置を少し横にずらしましょう。
完成するとこのようになります。

作業台の完成イメージ
次に、この作業台の使い方について説明します。
作業台の使い方
1. テーブルに新聞紙を広げ、作業台を置く
この作業台を使うときは、まずテーブルに新聞紙を広げます。

そして作業台を乗せますが、作業台の縁が新聞の真ん中に来るように設置しましょう。ノコギリは作業台の端で使いますので、切りくずが新聞の真ん中に落ちるようにするためです。

作業台を設置
2. 作業台の縁を使って、木材をクランプする
次に、木材を作業台に置き、クランプします。

作業台に木材を固定
以前紹介した直角切りジグを使うなら、ジグも一緒にクランプです。

ジグと木材を一緒にクランプ
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ノコギリで木材を直角に切る方法 ~高精度な直角ガイドの作り方
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幅の広い板材を固定する場合は、作業台の両端を活用しましょう。

板材をクランプする場合
そして、クランプしたまま切るわけです。

ぎーこ・・ぎーこ・・



さらにグレードアップ! テーブルに固定可能な組み立て式作業台
上記作業台は簡単に作れてとても便利なものですが、DIYの腕が上がってくると、ちょっと物足りなくなってくることがあります。
- 作業台をテーブルにクランプすることができない
- ビスで固定してしまっているため分解ができない
ノコギリを引いているときなど、作業台をテーブルに固定したいと思うときは時々あるはずです。
そして私は作業台を持って出張することも増えてきたので、分解して持ち運べると便利だなと思い始めました。
そんな想いが出てきたので、さらにグレードアップした作業台を作ってみました。

組み立て式卓上作業台
この作業台は天板と脚をジョイントボルト&オニメナットで連結しているため、ボルトを外せば分解することが可能です。分解すると小さくまとめることもできるため、収納と運搬に便利です。

脚と天板は分解&組み立て可能
ジョイントボルトというのは、こういう部品です。組み立て家具でよく使われる部品で、ネジ頭が薄く、ネジが長いのが特徴です。

ジョイントボルトとオニメナット
天板と脚を連結するときのネジが天板よりも上に出ていると作業の邪魔になるので、天板面よりも下に来るように座繰り穴をあけ、座繰り穴にネジ頭を落とし込む必要があります。そのため、ネジ頭が薄いジョイントボルトが好都合というわけです。
ジョイントボルトを取り付けるためにオニメナットも利用します。作業台の脚にオニメナットを埋め込むことになります。
また、脚はクランプを挿し込んでテーブルに固定できるようになっています。力を入れてノコギリを引くときなどに、作業台が前後に動いてしまうのを防ぐことができます。
この作業台の詳しい作り方を説明すると長くなってしまうため、要点だけご紹介します。
寸法&木取り図
寸法は自由ですが、あえてポイントを挙げるとすれば2点あります。最初に紹介した作業台と同じですが、
- 2枚の天板の間にクランプが入る隙間をあけること
- 脚を天板より小さめに作って、天板の縁でクランプできるようにしておくこと
が重要です。
参考までに、私の作業台の寸法を載せておきます。

作業台の天板の寸法
天板は24mm厚パイン集成材 448 x 275mmを2枚重ねたものを2セット使用します。
2枚重ねにしたのは剛性と重量をアップさせるためですが、軽量な作業台にしたければランバーコア合板などで使ってもよいと思います。


作業台の脚の寸法
脚は20mm厚パイン集成材 385 x 94mm 2枚で、幅94mmの小さい部品を数枚積み重ねてサンドイッチにしています。間に挟む部品の数で高さを調整できるので、作業しやすい高さに合わせて枚数を変えるとよいと思います。
この天板と脚をボルト&オニメナットで連結して、このような形にします。

作業台側面の寸法
天板は脚よりも55㎜せり出すようにしているので、周囲四辺どこでもクランプすることができるようになっています。
上記寸法の場合、木取り図はこのようになります。

作業台天板の木取り図

作業台脚の木取り図
作り方
まずは天板を貼り合わせ、

天板用の集成材を貼り合わせる
脚の部品を貼り合わせ、

台座の部品を接着
脚と天板に穴をあけて、脚にはオニメナットを埋め込みます。

天板と脚に穴をあけ、脚にはオニメナットを埋め込む
そして、天板と脚をジョイントナットで連結すれば完成です!

組み立て式卓上作業台


ぜひ、ご自身に合った作業台を設計して作ってみてください!
まとめ
いかがでしょうか。DIY初心者でも作ることのできる簡単な作業台ではありますが、今後のDIYで頼りになるはずです。
もしまだ作業台を持っていないのならぜひ自作してみてください!
特にジグを使って精度の高い作業をする場合は自在にしっかりクランプできる作業台は今後必須になっていきます。
ジグについてはこちらの記事で紹介していますので、よければあわせて読んでみてください。
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もし簡易的な作業台ではなく本格的な作業台が欲しいということであれば、ベンチバイスを使う方法があります。
たとえば、このような感じです。

テーブルに取り付けたベンチバイス

ベンチバイスとは何なのか、ベンチバイスの取り付け方と使い方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ読んでみてください!
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