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DIYアドバイザー資格とは ~役割と受験方法、試験範囲について

さくや(@sakuyakonoha77)です。2019年8月に実施されたDIYアドバイザー資格の一次試験(筆記試験)に合格しました!

DIYアドバイザーと言っても、初めて聞くという方が多いかと思います。この記事ではDIYアドバイザーの役割、資格試験の受験方法、試験範囲、2019年度一次試験(学科)の合格点と合格率についてまとめます。DIYアドバイザーに興味のある方、これからDIYアドバイザーを目指す方は参考にしてみてください。

DIYアドバイザーとは

DIYアドバイザーとは、DIYに関する指導をしたり、相談に応じることができると認められたひとのことです。

DIYという言葉は、ご存じの方も多いと思いますが、とても広い意味を持っています。『100均アイテムをつかったおしゃれリメイク』『アンティーク調家具の自作』『ディアウォールを使って自転車を壁掛けに』・・これらはすべてDIYです。しかしDIYアドバイザーが扱う範囲はそれだけにとどまりません。

DIYアドバイザーが扱うのは、住宅に関わることすべて

DIYアドバイザーが扱う範囲を知るには、DIYアドバイザー資格試験の内容を見るのが一番簡単です。DIYアドバイザー資格試験の主な出題範囲をまとめると以下のようになります。

ポイント

  1. 住宅および住宅設備機器
    1. 住宅の構造(軸組工法、2x4工法、プレハブ工法)
    2. 基礎、床、天井、壁の中の仕組み
  2. DIY用品の使用上の注意、用途、保守、点検に関する知識
    1. 大工道具、電動工具等
    2. 建築金物類
    3. 塗料、補修材(接着剤、充填剤、テープ類、手入れ用品等)
    4. 木材、建材、床材、壁紙
    5. 左官(塗り壁材、セメント、コンクリートブロック、レンガ、タイル等)
    6. 水回り、電気、ガス
  3. DIYの施工方法、補修方法、下地処理、危険防止等に関する知識
    1. 床、階段、壁、天井、建具等
    2. 屋根、外壁、雨どい等
    3. 浴室、台所、トイレ、洗面所、給排水設備等
  4. DIYの関連法規に関する知識

DIYと呼ぶ範囲が想像以上に広いと感じたのではないでしょうか。これら全てがDIYアドバイザーが扱う範囲ですが、DIYで扱ってはならないこと(法律で禁止されていることなど)について把握しているというのも重要なポイントです。

DIYアドバイザーはなぜ必要なのか

DIYは趣味の延長というイメージが持たれることもあります。しかし本来は人々の生活に必要不可欠なものでした。そしてその必要性は今でもまったく変わっていません。

DIYの起源

DIYの発祥は第二次世界大戦後のイギリスです。戦争で荒廃した街を復興させるためにDIYがスローガンとして用いられ、市民運動に発展しました。その際に住宅の修理・改善に関する情報誌『Do it yourself』が発刊され、人々の生活の中にDIYの考え方が定着していきました。日本には1972年に初のDIYホームセンターが誕生し、これを機にDIYが普及して今に至っています。

今では全国に多くのホームセンターがあるおかげで、誰でも気軽にDIYを行うことができるようになりました。しかしその一方で、DIYは正しい方法で行わなければ怪我や事故のもとになることもあります。

これは一例ですが、2018年の大阪北部地震ではブロック塀が倒壊する事故があったのを憶えているでしょうか。そのときのブロック塀倒壊の原因は主に三つだったと言われています。

  • ブロックを高く積みすぎていた
  • ブロック塀に入れるべき鉄筋が不足していた
  • ブロック塀が高さ1.2メートルを超す場合に必要となる『控え壁』が無かった

この三つですが、DIYアドバイザーハンドブックには安全のための注意すべきこととして明記されています

個人がDIYでブロック塀を作るとき、上記の注意点を知らずにブロックを積めば同様の事故が起きてしまう可能性があります。DIYアドバイザーはこういう時に適切な助言をすることができるため、DIYによる事故を未然に防ぐという意味でもDIYアドバイザーは重要な役割を担っているのです。

DIYアドバイザーは『公的資格』

DIYアドバイザーは人々の生活に直接関与して貢献することができることから、経済産業省による認定を受けた公的資格として位置づけられています。公的資格の特徴は以下の通りです。

公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格です。

民間団体の主催ですが信用度や知名度の高い資格が数多くあり、取得した資格は公的に通用し、国家試験に準ずる資格なので、一定レベルの能力があることを保証できるので就職、転職の際に有利に働きます。

引用元:http://www.shikakude.com/paje/koutekishikaku.html

DIYアドバイザー制度は、1983年に通商産業大臣認定事業として開始されました。その後の政府方針の変更によりDIYアドバイザー認定事業は民間団体に委託され、現在は経済産業省所管の公益法人である社団法人日本DIY協会が認定を行うことになっています。

社団法人日本DIY協会とは

DIYアドバイザー資格の認定を行っている社団法人日本DIY協会は、日本におけるDIYの普及と産業の発展を目的として設立された一般社団法人です。たとえば以下のような大手ホームセンターが会員となっています。

  • DCMホールディングス(Kahma、DAIKI、Homac、Sanwa、くろがねや、ケーヨーデイツー)
  • コメリ
  • コーナン商事(コーナン)
  • LIXILビバ(ビバホーム、スーパービバホーム)
  • ジョイフル本田

身近なホームセンターが含まれているのではないでしょうか。他にも卸売業、製造業の企業が多数参加しており、2019年4月現在では会員社は476社にまで増えています。

余談ですが、2019年8月にDIY業界最大級のイベント『Japan DIY Homecenter Show 2019』(DIYショー)を主催したのも日本DIY協会です。

DIYショーは、DIYをする方にはぜひ参加してほしいイベントです。全国からDIY関係企業が集結し、開発中の最先端の道具や新しい素材が紹介・販売されます。DIYを体験できるワークショップも豊富で、子供向けのイベントや体験コーナーもあるので親子で楽しむことができます。

DIYショーは毎年8月に千葉の幕張で開催されています。機会があれば、ぜひ参加してみてください。

DIYアドバイザーの役割

DIYアドバイザーの役割を簡単にまとめると、次のようになります。

ポイント

  • DIYに関して正確な知識と技術を習得している
  • DIYを行うひとに対して適切な道具や手順を伝えることができる
  • 作業による事故の発生を未然に防ぐことができる

以下では、上記3つについてそれぞれ詳しく説明していきます。

DIYに関して正確な知識と技術を習得している

DIYアドバイザーは、DIYに関するすべてのことについて正確な知識を身に付けることを求められます。

たとえば次のような質問をされたとき、適切なアドバイスをできるでしょうか?

DIYが趣味です!

屋外の木製ベンチを塗装したいんだけど、余っている水性床用ニスを使って大丈夫かな?

DIYアドバイザーなら、このように答えることができます。

さくや
屋外の木製ベンチに水性床用ニスは使えません。水性床用ニスは紫外線に弱いので、すぐに劣化してしまうからです。屋外で使うなら外部用ニス外部用ステインを使いましょう

DIYアドバイザーはホームセンターで売られている塗料、接着剤、洗剤などについて正確で詳しい知識を持っています。どのような場面で何を使えばよいのかを、適切にアドバイスすることができるのです。

DIYを行う人に対して適切な道具や手順を伝えることができる

このような相談を受けたときはどうでしょうか。

お風呂掃除で困っています

お風呂の浴槽の周りがゴムみたいなもので埋めてあるのですが、その部分が黒ずんで一部はがれてきています。どうすればいいですか?

DIYアドバイザーなら、次のように適切な手順をアドバイスすることができます。

さくや
浴槽の周りにゴムはシリコン充填剤です。次の手順で修繕してください。

  1. 古い充填剤の両側にカッターで切れ目を入れて、充填剤をはがす
  2. はがしたあとの溝をよく乾かす。急ぐ場合はドライヤーを使う
  3. 溝の両側にマスキングテープを貼る
  4. 新しいシリコン充填剤を溝に注入して、付属のヘラか濡らした指で表面をきれいにならす
  5. 充填剤が固まる前にマスキングテープをはがす

DIYアドバイザーは、住居の修繕について適切な手順をアドバイスすることができます。仕組みや原理についても理解しているので、状況や道具にあわせて方法を変えることも可能です。

珪藻土って・・

壁に珪藻土を塗ってみたいんです。コテを持っていないのですが、スポンジで塗ってもいいのでしょうか?

さくや
珪藻土をスポンジで塗るのはOKですよ!100均のスポンジでも大丈夫です。塗り跡が残っても大丈夫なので、気軽に試してみてください

作業による事故の発生を未然に防ぐことができる

DIYを行うときには、正しい知識を持ち、正しい手順で行わなければ目的が達成できないだけでなく危険ですらあります。ガス・水道・電気などに関しては法律により禁止されていることもありますので、DIYでどこまでやってよいのかを知っておかなければなりません。DIYアドバイザーはそれらを把握しているため、安全なDIYについてアドバイスすることができるのです。

DIYアドバイザーになるには

DIYアドバイザーになるためには、日本DIY協会が実施する資格試験を受験し、合格する必要があります。

DIYアドバイザー資格試験は毎年1回行われています。試験の申込方法と受験の流れは日本DIY協会のWebサイトで詳しく紹介されていますが、簡単にまとめると以下の通りです。

1.受験申し込み

受験資格

『試験が行われる年度の4月1日時点で満18歳以上であること』が唯一の受験資格です。

さくや
私が筆記試験を受けた際に試験会場をざっと見た限りでは、20代くらいの方から60代くらいの方まで幅広い年齢層の方々が受験していたね。

出願

オンラインで申し込みます。出願期間は限られているので注意してください。願書が受理されれば一次試験期日の数週間前に受験票が送付されます。

教材の入手

試験勉強用の教材は、受験願書と同様に日本DIY協会のWebサイトで入手できます。次の三つが教材になります。

  • DIYアドバイザーハンドブック
  • DIYアドバイザーハンドブック<技能編>
  • 20xx年度版学科試験問題集

ハンドブックは2冊合わせると400ページにもなり、非常にボリュームがあります。

さくや
とにかく範囲が広い・・と誰もが思うんじゃないかな

すべてを暗記するのは現実的ではないため、ある程度ポイントを絞って勉強することが有効になります。試験の出題傾向と対策のポイント、そして私なりの勉強のコツについては次の記事にまとめています。

DIYアドバイザー一次試験 ~過去問の傾向と対策

DIYアドバイザー一次試験について、過去6年間の試験問題を分析して傾向と対策をまとめました。勉強方法の概要とコツ、そして各分野ごとの具体的なポイントをまとめていきます。

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2.学科講習会・実技研修会と試験

学科講習会の日程と開催場所

試験の2か月ほど前の時期に、東京と大阪のそれぞれで、2日間かけて学科講習会が実施されます。2019年度の場合は、開催日程は東京が7月9日(火)と10日(水)、大阪は7月16日(火)と17日(水)でした。

この講習会では試験の出題傾向対策のポイントを教えてもらうことができます。一次試験は試験範囲が非常に広く対策には苦労します。DIYの経験が少ない方は、日本DIY協会が主催する学科研修会に参加することを強くお勧めします。

さくや
平日に2日間参加するのは正直つらいけどね・・本気で合格したいのなら、できる限り受講したほうがいい

一次試験(学科)の試験日程と試験会場

8月下旬ころに一次試験(学科)があります。2019年度の場合は8月24日(土)でした。

90分の試験時間で全47問ですが、それぞれの問いに4つの小問が含まれていますので、実質200問程度のテストです。

試験終了後、約2週間で合否通知が届きます。一次試験に合格した場合、合格通知とともに二次試験の案内と実技研修会の案内が送付されます。

実技研修会

実技試験についても、あらかじめ日本DIY協会によって実技研修会が開催されます。こちらは東京、大阪のそれぞれで4日間開催され、各開催日につき約40人が参加できます。日程は希望日を申請する形ですが、定員があるため日程の設定については先着順です。早めの申し込みをお勧めします。

実技研修会はまだ参加したことがないので詳細不明ですが、過去問を見る限りでは独力で対策するには無理があるものもありますので、実技研修会への参加は必須でしょう。

二次試験(実技試験)受験

二次試験の内容は実技と面接です。こちらも東京と大阪のそれぞれで11月に開催されます。

実技研修会同様に日程を分けて開催されますが、日程は日本DIY協会側で指定するため選択はできないようです。

実技で出題されるのは3問、それぞれ10分の制限時間内に与えられた課題を達成するという内容です。試験問題はたとえば下記のような内容です。

  • 木材の切断と組み立てを行い、簡単な箱を作る
  • 適切なドアノブ(錠前)の選択、およびドアノブの取り外しと取り付け
  • 壁紙や床材の施工や補修
  • 水栓パッキンの交換

面接についてはまだ詳細がわかりませんので、受験後に追記したいと思います。

3.DIYアドバイザーの登録

一次試験および二次試験に合格した人は、日本DIY協会に登録申請することによりDIYアドバイザーの称号を得ることができます。

二次試験に合格すると登録申請書が送付されますので、登録料とともに登録申請を行うことでDIYアドバイザー認定証DIYアドバイザー認定章が交付されます。

さくや
認定証と認定章のことは私もよくわからない。合格した後のお楽しみだと思っておくよ

4.DIYアドバイザー登録更新

DIYアドバイザー資格の有効期間は5年間です。有効期間最後の5年目に登録更新手続きを行うことにより、登録を更新することができます。

2019年度一次試験(学科)の合格点と、合格率

DIYアドバイザー資格試験の一次試験(学科)の合格基準点は年度ごとに異なり、基準点を超えれば合格となります。2019年度の場合は200点満点中134点で合格でした。

ちなみに、私の試験結果はこのとおりでした。

一次試験に合格しました!

一次試験に合格しました!

なお、2019年度の一次試験の結果は以下の通りです。

  • 一次試験(学科)受験者:1,004名(男性739名、女性265名)
  • 一次試験(学科)合格者:460名(男性343名、女性117名)、合格率45.8%
さくや
2018年度以前の一次試験の合格率は60%程度だったはずだから、2019年度の一次試験はかなり難しかったのかもね

私が過去問を分析してまとめた一次試験(学科)の出題傾向、そして私が実際に行った勉強法については次の記事にて詳しくまとめていますのでご覧ください。

DIYアドバイザー一次試験 ~過去問の傾向と対策

DIYアドバイザー一次試験について、過去6年間の試験問題を分析して傾向と対策をまとめました。勉強方法の概要とコツ、そして各分野ごとの具体的なポイントをまとめていきます。

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さて、今回の記事はここまでとします。長い記事でしたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました!

私はDIYアドバイザー資格試験は受験中の身ですが、DIYに関するお役立ち情報をTwitter(@sakuya_konoha77)にて随時発信しています。興味を持っていただけたらTwitterアカウントをフォローしていただけると嬉しいです。

それではまたお会いしましょう!

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さくや

DIYと木工と刃物研ぎとキャンプが趣味のシステムエンジニア。賃貸住宅のリビングでもできる『静かなDIY』をテーマにブログを運営しています。

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