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替刃式鉋(かんな)はDIY初心者におすすめ!面取りの方法など、詳しい使い方を紹介します

2019年7月19日

替え刃式鉋

DIYに慣れてくると、

『2x4材の表面のガサガサを何とかしたい・・』

『木材の寸法が少しずれてしまったんだけど、ちょっとだけ削って調整できないかな?』

といったことが頻繁に起きるようになります。

そういうときに一番良いのは鉋で仕上げること。鉋について聞いたことがあるけれども自分にはハードルが高い・・と感じる方には、初心者でも簡単に扱える『替刃式鉋(かえばしきかんな)』をおすすめします!

この記事でメリット&デメリットを詳しく説明しますので、ぜひ替刃式鉋を使ってワンランク上のDIYにチャレンジしてみてください!

DIY初心者にお勧めの鉋は『替刃式鉋』

替え刃式鉋はDIY初心者におすすめ
替刃式鉋はDIY初心者におすすめ

鉋と言えば、大工さんがよく使う道具です。主に木材の表面を削ったり、角を削ったりするときに使います。

さくや(Sakuya)

昔は小学校でも鉋の使い方を教えていたと聞いたことがあるよ

へ~。子供でも使えるんだ

はろ子(Haloko)
さくや(Sakuya)

そういうこと。使い方さえ分かれば、安全で便利な道具なんだ

今となっては使う人も少なくなった鉋ですが、それは次のような理由があるからだと思います。

  1. 使い方がわからない
  2. 刃を研ぐのが難しそう
  3. 試しに買うにはちょっと高い

どれももっともな理由ですが、実はそれを解決する方法があります。それが、

『替刃式鉋』

です。替刃式鉋にもメリット・デメリットがありますが、DIYerにとってはメリットしかないと言ってもいいと思います。

替刃式鉋の特徴

替刃式鉋は、価格が安い

メリット:気軽に使える

替刃式鉋のメリットの一つめは、安価に手に入れることができるという点です。安いものでは4,000円前後から購入可能です。

はろ子(Haloko)

えっと・・四千円って、安いの?

少なくとも、鉋としてはね

さくや(Sakuya)

メモ

替刃式ではない通常の鉋は、まともに買うのであれば少なくとも数万円になります。それに加えて、刃を研ぐための砥石、裏出しの道具、裏押しの道具、下端調整の道具・・などと揃えていったら、初期投資は十万円以上になるかもしれません。

なお、『替刃式』なので替刃を買う必要はあります。替刃は1枚あたり300~400円程度でしょうか。替刃1枚でどのくらい使えるかは、使い方にもよるものの、数か月使い続けることも可能です。DIY初心者ならば、替刃3枚で1年くらい使えると思っても大丈夫だと思います。

そして何よりも、安いからこそ思い切って使うことができるというのがDIY初心者にとって重要です。どんな道具も、遠慮して使っていては上達することが出来ません。

はろ子(Haloko)

思う存分使うことが出来て、腕を上げることができるってことね

それこそが、替刃式鉋の最大のメリットじゃないかな

さくや(Sakuya)

デメリット:本格的な鉋と比べると、切れ味が劣る

替刃式鉋は、本格的な数万円の鉋(そしてよく研がれたもの)に比べればどうしても切れ味は劣ります。

それでも・・特に問題ないですよね?

私たちDIYerは、木を削ることができればそれでいいはずです。なにも職人芸のような美しい削りくずを出したいわけではありません。

DIYで使うのであれば、4000円程度のもので十分。替刃式鉋でも、まな板や2x4材を削ってつやつやにするくらいなら十分にできます。

まな板は削るときれいになる(ただし木製まな板に限る
まな板は削るときれいになる(ただし木製まな板に限る
替え刃式鉋で薄削り!
替刃式鉋で2x4材を削ってみた

DIY初心者にとって十分すぎるくらいの切れ味を、替刃式鉋は持っています。もしそれでも切れ味が足りないと感じる時が来たら、その時に他の鉋を考えればいいのです。

替刃式鉋は、刃を砥ぐ必要がない

二つ目のメリットは、

替刃式鉋は、刃の交換が可能

という点です。

はろ子(Haloko)

そりゃそうだw

当然と言えば当然ですが、刃を砥ぐ必要がないというのは初心者にとって超重要なポイントです。通常の鉋は切れ味が落ちてきたら刃を砥ぐ必要がありますが、鉋の刃を砥ぐのは至難の業なのですから。

一方で、替刃式鉋は研ぎについて苦労する必要がありません。切れ味が落ちたと思ったら、遠慮なく刃を交換してください。

メモ

替刃は消耗品ですが、実は替刃を砥ぐことも可能です。砥石を持っている場合は替刃を研いで繰り返し使うとランニングコストを抑えることができます。(もっとも、それができるなら普通の鉋も使いこなせるかもしれませんが・・

替刃式鉋の組み立て方

さて、替刃式鉋について詳しく見てみます。まずは替刃式鉋を分解してみます。

替え刃式鉋を分解
替刃式鉋を分解

替刃式鉋は4つの部品で構成されています。

  • 鉋台(かんなだい)
  • 鉋身(かんなみ)
  • 裏金(うらがね)
  • 替刃(かえば)

鉋身、替刃、裏金の3枚を重ね合わせてから、鉋台に叩き込めば鉋の完成です。

替え刃式鉋の組み立て方
替刃式鉋の組み立て方

このとき、替刃の裏表に注意しましょう。わかりにくいのでよく間違えます。

替刃式鉋の替刃の正しい取り付け方
替刃式鉋の替刃の正しい取り付け方
替刃の誤った取り付け方
替刃の誤った取り付け方

違いが判るでしょうか?前者は正しい組み立て方、後者は刃が裏返しになっています。刃の砥ぎ面が見えるようだと間違っていますので、裏返して取り付けてください。

鉋身をたたくときは金槌(玄翁)、もしくは木槌を使います。鉋の刃先が鉋台からわずかに出るくらいに調整します。

よく言われるのは『髪の毛一本分』というのが目安ですが、目で見てもわかりにくい場合は親指の腹で触ったり、実際に削りながら調整してもOKです。

さくや(Sakuya)

指で触るときは、手を切らないように気を付けてね

刃をわずかに出す
刃をわずかに出す

上の写真では『ぼんやり黒い線が見える』程度ですが、この程度で大丈夫です。刃が出すぎると、厚削りになりすぎて引けません。

刃を出しすぎたときは、台頭の角を木槌で叩きます。

この位置をたたくと鉋身が抜ける
この位置をたたくと鉋身が抜ける

こうして、刃を叩き込んだり、台頭をたたいて刃を抜いたりして、鉋の刃の出具合を微調整します。刃が傾いていると感じたときは、刃の横をたたくのもOKです。

言葉で説明すると難しいのですが、実際やってみるとすぐに慣れます。

警告

台頭の角を叩くのが正しい方法ですが、台頭の真ん中(刃の真後ろあたり)を叩くのはNGなので気を付けてください。そこを叩き続けると、台が割れてしまうことがあります。

替刃式鉋の使い方

鉋は、木の表面で『引いて』使います。これも言葉で説明するよりは見た方が早いので、動画で紹介しますね。

平面を削る場合

鉋を引くときは腕力を使うのではなく、腰から上全部を使って鉋を動かすようにします。動画のように、鉋をすこし斜めに構えて引いてもOKです。

鉋を扱う際の注意点ですが、鉋の刃を出しているときは、鉋は必ず側面を下にして置いてください。鉋の下には刃が突き出していますので、テーブルなどに直接置くと刃を傷めてしまいます。

あと、実際に使ってみると削り面がケバだったり、ガツガツ引っかかったりすることがあります。そういう場合は大抵、木材を『逆目』(さかめ;木目に対して、刃が潜り込む方向)方向で削ってしまっています。

木材を前後逆にすると『順目』(ならいめ)方向になってきれいに削れるようになりますので、試してみてください。

面取りをする場合

平面を削るときは上の動画のように使いますが、

DIYで出番が多いのは、どちらかというと『面取り』の方です。こちらも動画で紹介します。

ぴゅるるるると、ほそーい削りくずが出ているのがわかるでしょうか。

この方法は簡単です。片手で鉋を斜めに持ち、木材の角に当てて引くだけです。鉋の持ち方次第で、45度の平面で削ったり、丸く削ったりすることが可能です。

鉋での面取りは、通常の木材の時はもちろん、ベニヤ合板の角を丸めるときなどにも大活躍します。

今回の削りくず

替刃式鉋の手入れ

替刃式鉋は手入れで神経質になる必要はありませんが、注意しなければならないのは替刃の部分です。

刃は鋼で作られており、湿気や汚れがついているとサビます。替刃式なので、サビたら替えてしまえばいいと言われるとそれまでなのですが。

さくや(Sakuya)

どんな道具でも大事に使おうね

使い終わった鉋は、一度分解して木くずを払っておきましょう。PC用のエアダスターを使うか、100均で売られているほうきや筆などを使うと手入れが楽です。

その後、防錆スプレーなどで薄く油を塗っておけばベストです。

まとめ

替刃式鉋は安価なものでも十分に活躍してくれます。使ってみると、その切れ味と、美しい仕上がりに感動すると思います。

DIYを始めたばかりでも、鉋を使ったことが無くても大丈夫です。ぜひ一度使ってみてください。

さくや(Sakuya)

私だって最初は素人だったけど、ぜんぜん問題なく使うことが出来た。心配しなくていいよ!

替刃式鉋に慣れてくると、もっと上の切れ味が欲しいと思うようになるかもしれません。その時には二つの選択肢があると私は思っています。

一つは、日本の伝統を受け継いで本格的な『和鉋』を使いこなす道です。この場合はこちらの記事が参考になると思います。

そしてもう一つは、(日本では異端かもしれないけど)世界のスタンダード、初心者でも安心して使える『西洋鉋』を使う道です。下の記事で西洋鉋についてとても詳しく説明しています。

替刃式鉋を使ってみて、さらに上を目指したくなったときにはまたこの記事を思い出してみてください。

それでは、またお会いしましょう!

初期不良に注意

Amazonで替刃式鉋を購入した方から、不良品が納品されたという報告がありました。

Amazonの商品がすべて不良品というわけではありませんが、以下の点でおかしいと感じるようであれば初期不良を疑ってみてください。
・鉋台から鉋身が抜けない
・どれだけ叩いても鉋身が鉋台に入っていかず、刃を出すことができない
※いずれも、木づちや金づちで数回たたけば簡単に抜き差しできるのが普通です。
※逆に緩すぎるという場合もあるかもしれません。

Amazonは『注文履歴』画面にある『商品の返品』ボタンから返品することが可能です。『商品に不具合または損傷がある』といった理由を付ければ返金されますので、おかしいと思ったら返品して別の商品を購入しましょう。

  • この記事を書いた人

さくや

DIYと木工と刃物研ぎとキャンプが趣味のシステムエンジニア。賃貸住宅のリビングでもできる『静かなDIY』をテーマにブログを運営しています。