こんにちは、このはです。
ノコギリによる木材加工の精度を上げるために、何か良い練習になるものはないかと思い、相欠き継ぎで鍋敷きを作ってみました。
同じ長さに木材を切り出すことと、同じ深さの切り込みを入れることの練習になります。

相欠き継ぎの方法は、杉田豊久氏の著書『木組みの完全テクニック』を参考にしています。
作品情報
【難易度】 (中級者向け)
【主な材料】
- ヒノキ材15mm x 15mm
【主な道具】
- ノコギリ(アサリなし)
- ルータープレーンもしくは鑿(のみ)
- スコヤ
- 各種治具(長さストッパー、直角切りガイド等)
- 接着剤
caDIY3Dで設計
まずは設計です。おなじみの設計ソフトcaDIY3Dを使って設計図を作成しました。

全体図
パーツを上下に分けるとこのようになります。

上下に分けたところ
つまり、下の図のようなパーツを6個作成して組み合わせることになります。

鍋敷きのピース

こちらのピースを、正確に同じものを6個作成していきます。
相欠き継ぎ加工
木材カット
材料は15mm x 15mmのヒノキの角材を使いました。
こちらの材から、長さ125mmになるように6本切り出します。

15mm x 15mm ヒノキの角材
まず初めに、木材の端を切り落とします。
木材の端には砂が入っていたり欠けていたりするからです。一度端を切り落として、平らにしておきましょう。

木材の端を切り落とす
ここではノコギリ用の治具、直角ガイドを使っています。こちらの記事で詳しく紹介しています。
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次に、ノコギリで同じ長さになるように長さストッパーを使ってカットしていきます。
こちらの記事に、長さストッパーの使い方を解説してありますので、あわせてごらんください。
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直角ガイドと長さストッパーはこのようにセットします。

上から見たところ

下から見たところ


あとは、長さストッパーに木材が当たる位置にクランプして、直角ガイドに沿いながら木材を切っていきます。

同じ長さの木材ができました
墨付け
切り欠く部分を墨付けします。
六本とも同じ場所を切り欠くので、六つ並べて墨付けします。切り取る部分には、忘れずに×印をつけておきましょう。

切り各部分の墨付け
相欠き継ぎ加工
ここからは三本まとめて作業します。
切り欠く部分を避けながら両面テープを張り、木材をくっつけます。

両面テープで木材をまとめる
×印のところに一定の深さの切り込みを入れるので、ノコギリに深さストッパーをつけます。
15mmの半分、7.5mmをノギスで測り、深さストッパーを両面テープでくっつけます。


ノギスで7.5mm測ってストッパーをつける

ストッパーをつけました
次に、ノコギリ用ガイドブロックを使って切り込みを入れていきます。
ガイドブロックについては、こちらの記事で紹介しています。
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ガイドブロックを使って切り込みを入れる
まず片方の線の上になるようにガイドブロックを両面テープでくっつけます。
もう片方のガイドブロックの位置を決めるときは、その位置にはめ込む木材を置きながらガイドブロックの位置を決めるとよいです。

はめ込む木材を使って幅を決める

切りこみを入れる位置が決まりました
ガイドブロックの位置が決まったら、深さストッパーをつけたノコギリで切り込みを入れます。

切り欠く部分の両端に切り込みを入れる
バツ印の部分に切り込みを細かくたくさん入れましょう。

細かく切り込みを入れる
スクレーパーを使ってパキパキ折っていきます。

スクレーパーで折る
パキパキ折った溝をならすために、ルータープレーンで底をさらいます。ルータープレーンがない場合は、鑿(のみ)で削っても問題ありません。

ルータープレーンで平らにする
忘れずに、残りの三本も同じ加工をします。
最後に、ブロックプレーンで表面の仕上げと面取りをしました。

ブロックプレーンで仕上げる
接着剤でお互いくっつけたら完成です。
完成

相欠き継ぎの鍋敷きが完成
正確に直角を取り、材を半分に切り欠くときれいな相欠き継ぎの鍋敷きができます。
材料も角材一種類でできるの、練習にはもってこいです。
