木工 道具・治具

自作砥石台(研ぎ台)の作り方《シンク固定式・サイズ調整可能ストッパー付き》

砥石台の作り方(自作方法)

さくや(@sakuyakonoha77)です。

突然ですが、私は素人とはいえ20年以上刃物を研ぎ続けています。その間どうやって砥石を固定するかで悩み続けてきました。

雑巾にのせてみたり、ゴムシートを試してみたり、色々と工夫をしてみましたが満足することはできず。かといって市販の砥石台を探してみても、どれもイマイチだったり、高かったり。

そんなときこそDIYですね。自作すれば万事解決です!

どんなサイズの砥石でもガッチリ固定できて、自分の家のシンクにぴったりで、剛性もあり錆びることもない、最高の砥石台を作ってしまいましょう!

【難易度】
初心者向け。鑿加工をするなら少し難易度UP(必須ではない)

【予算】約1,000~2,000円 ※端材でも可

【製作期間】約1日~2日

【主な材料】

  • ラワンベニヤ合板、針葉樹合板など ※コンパネでも可
  • SPF 2x4材など(脚用)
  • 蝶ネジ&ボルト&座金(ステンレス推奨)
  • WATOCOオイル(お好みで)

【主な道具】

  • 電動ドリルドライバ(インパクトドライバーでもOK)、ドリルビット
  • ノコギリ
  • 鑿&金づち ※なくても可
  • 作業台&クランプ

砥石台(研ぎ台)とは

なぜ砥石台が必要か

刃物を研ぐときには砥石を使いますが、その際には砥石が動かないことが非常に重要です。どんなに気を付けて研いだとしても、砥石がぐらぐら動くようでは正確な研ぎはできません。

そこで重要になってくるのが、どのようにして砥石を固定するかです。

台の上に雑巾やゴムシートを下敷きにしたり‥などといろいろ試した方もいるかと思います。しかしある程度安定するものの、がっちり固定には程遠いはずです。

結局必要になるのが砥石台(研ぎ台)。砥石台は砥石を固定するための専用の道具で、様々なタイプのものが市販されています。ホームセンターで手に入れることも可能ですが、市販の砥石台にはどれも一長一短があるのが悩みどころです。

底面がゴム製の置くだけ砥石台

一般的に出回っているのは、砥石を前後で挟み込み、底面にゴムの滑り止めがついているタイプです。

ホームセンターでも手に入るので見かけたことがある方も多いかと思います。しかしこの砥石台は、砥石を固定できたとしても、台そのものを固定することが難しい欠点があります。

たとえどんな材質であったとしても『置くだけ』の砥石台はどうしても動きます。包丁を軽く砥ぐだけであれば気にならないかもしれませんが、名倉をかけるとき、砥石の面直しをするとき、鉋の刃の裏押しをするとき・・には置くだけの砥石台では心もとないものです。

そこで、シンクなどにしっかり固定するタイプの砥石台が必要になってきます。市販の砥石台にはいくつかのタイプがあります。

シンク固定式、ステンレスパイプのブリッジタイプ

シンクに固定できて、Amazonで比較的安価に購入できるのがこのブリッジタイプです。

正直に言うと、私はこれを購入したことはありません。Amazonレビューの内容はともかくとしても、材質と剛性に疑問を感じたためです。私は試していないものの、こちらを購入してみるのもアリかもしれません。

シンク固定式、総ステンレス製の砥石台

藤寅工業が製造販売している『TOJIRO PRO 砥石固定台』は、性能的には上記の砥石台の欠点をすべてクリアしています。

シンクに固定可能で、砥石を前後のストッパーで挟み込む構造。総ステンレス製は汚れ・サビに強く、構造的に剛性も心配なさそうです。

唯一残念なのは、非常に高価であること‥。ステンレス製なのでやむを得ないとは思いますが、これを買うお金で砥石が数個買えてしまいます。それなら砥石を数個買いたいと思うのは私だけでしょうか。

さくや
というわけで、これも購入したことは無い。今回は商品レビュー記事ではないので勘弁してほしい

過去の自作砥石台

市販の砥石台にイマイチ満足できなかった私は、実は以前から簡易的なシンク固定式砥石台を自作して使っていました。

自作砥石台(旧式)

自作砥石台(旧式)

これも悪くはなかったのですが、砥石を一方向(前のみ)にしか固定できない欠点がありました。研ぐだけならばさほど問題は無かったのですが、面直しの時など砥石同士をこすり合わせると張り付いてしまい、下の砥石が動いてしまうため全くダメでした。

そして、それを改善しようとしたのがこちらです。

砥石台改良版とアダプター

砥石台改良版とアダプター

この砥石台は、砥石を前後二方向に動かないよう固定することができます。しかしそれと引き換えに、決まったサイズの砥石しか使えなくなってしまいました。アダプターを使うことで数種類の大きさの砥石には対応できるのですが・・

大きめの砥石

大きめの砥石

黒幕シリーズ

黒幕シリーズ(実はサイズ調整のための添え木を差し込んでいる)

しかしそれでもたかが数種類です。砥石の数が増えたとき、いくつものアダプターを作るのが馬鹿らしくなって早々に諦めました・・。

さくや
我ながら頭の悪いカラクリを考えてしまったもんだ。これなら最初からフリーサイズで作るべきだった
なんかこういうアダプターばかりの道具、他でも見たことある気がするな~
はろ子

結局、理想の砥石台は自作するしかない

もう言わんとしていることは伝わったかなと思います。理想の道具が欲しいなら、自分で作るしかないですよね。こういう時のためのDIYです。

どんなサイズの砥石でもガッチリ固定できて、自分の家のシンクにぴったりで、剛性もあり錆びることもない、そして安価な、最高の砥石台を作ってしまいましょう!

砥石台の設計図

さて、さっそく砥石台の設計図の紹介です。例によってcaDIY3Dで作成しました。

DIY用設計ツール
caDIY3D
はじめてでも直感的に使えるDIY設計ソフト 『caDIY3D』の紹介

かんたんに直感的に使えるDIY設計ソフト『caDIY3D』のご紹介です。設計、木取り図作成をものすごく!かんたんにしてくれるソフトです。DIY初心者の方にはもちろん、これまで苦労されてきたベテランの方にもおすすめです。

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設計図

設計図

設計図では寸法を入れていますが、これはあくまで参考値です。実際は自宅のシンクに合わせてサイズを調整してください。(ちなみに上の設計図は私が父のために作成したときのもので、奥行きが規格外の大きさになっています。豪邸というわけじゃないですよ、田舎なだけです(笑))

さくや
自分で使ってみた感想だけど、砥石台は細い方が使いやすね。幅15cm~20cmくらいがいいんじゃないかな

砥石台本体は合板2枚を重ねて作成します。厚さ12mm合板の2枚重ねなので、どんなに押してもビクともしない剛性が確保できます。

ん?それならはじめから厚さ24mmの合板を使えばいいんじゃないの?
はろ子
さくや
それでもいいけどね・・高いぞ~24mmベニヤ合板はw
あぁ、そういうコト。
はろ子

そして台の左右にある溝と、前後のストッパーが特徴です。ストッパーは裏から蝶ネジで締める仕組みですが、濡れた木製ストッパーは蝶ネジで締めている限り全く動きません。逆に動かすときは蝶ネジをちょっと緩めるだけ。とても楽ちんです。

なお水場で使用するものなので合板は耐水性のあるものを使用してください。ベニヤ合板やコンパネであれば問題ありません。また金具はすべてステンレスで統一するようにしてください。ちなみにビスはステンレスでなくとも問題ありません。

そして台座裏面の『脚』は自宅のシンクに合わせて作成します。そうすることで砥石台をシンクにしっかり固定できます。

裏面

裏面

脚の形状はシンクの縁に合わせて段欠きや曲面加工できればベストですが、加工が難しい場合は前後二本の角材を下駄のように取り付けるだけでも十分です。

裏面(簡易版)

裏面(簡易版)

砥石台の溝は、使用するボルトの幅よりわずかに大きめにする必要があります

砥石台の溝

砥石台の溝(実際は8mmよりもわずかに大きめにする)

そしてその溝幅を固定するために横向きの木材(オレンジ色)を打ち付けています。

砥石台の作り方

安価で頑丈な台の作り方

まず同じ大きさの合板を二枚用意します。今回はホームセンターの端材コーナーで買った厚さ12mmのベニヤ合板から、二枚を切り出して使いました。

さくや
ちなみに一枚50円!
やすっ!
はろ子
合板を用意

合板を用意

この合板を同じ長さ(550mm)で切って2枚にして、片側にボンドを塗って張り合わせます。

二枚の合板を貼り合わせる

片方にボンドを塗って

さくや
写真はボンド塗り途中。あとで浮き上がらないように、端までしっかり塗ってね
クランプを使って張り合わせる

クランプを使って張り合わせる

ベニヤ合板はボンドを塗ると反るので、クランプを使ってしっかりと圧着します。

1日放置して完全に接着できたら、張り合わせた合板から幅25mmの細長い材料を2本切り出します。

細長い材料を切り出す

細長い材料を切り出す

ちなみに、ここでは自作の『直角切りジグ』をひっくり返して、マグネットのみ利用して直線切りガイドにしています。

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これだったら、直角切りジグをつかう必要はないんじゃないの?
はろ子
さくや
そうだね。太めの角材にマグネットを貼っただけでも十分にジグになるよ
切断完了

切断完了

もっと簡単に

ベニヤ合板をノコギリで切るのはなかなかに時間がかかります。ホームセンターで合板を買うのであれば、あらかじめ細長い材料もカットしてもらうと簡単になります

シンクに固定するための脚を作成

この砥石台は台所のシンクに設置して使う予定です。そこで、シンクの縁にぴったりフィットする脚を2x4 SPF材で作ります。

さくや
ここで作る脚は、各家庭のシンクの形に合わせて作ってね。私と同じように作る必要は全くないよ

まずは、シンクの手前側の縁で型取りをします。

シンクの縁の形を写す

シンクの縁の形を写す

ここで描く墨線はアバウトでも大丈夫です。少し小さめに墨付けしておき、あとで微調整したほうが失敗を少なくすることができます。

次に、墨線に合わせて加工します。加工方法は何でもOKですが、今回はノコギリと鑿で加工することにしました。

幅広の溝を作るために、ノコギリで縦の切り込みを入れます。ここでは縦引きをすることになりますので縦挽き用のノコギリが便利です。

両側に切り込みを入れる

両側に切り込みを入れる

さくや
ちなみに私のお勧めノコギリは『ゼットソーIII 265mm縦横斜め兼用』。万能な上に切れ味がなかなか落ちなくて、しかも替え刃のコスパがいいから気軽に使える。ピストルハンドルも取り回しが良くてお勧め

あとは、鑿を使って溝を欠き取ります。木目方向に鑿を入れているので、案外簡単に欠き取ることができます。

鑿を持っていない方は、3本組でも十分なので持っておくと重宝します。

鑿で欠き取る

鑿を使うとこのように一気に欠き取ることができる

そして必要があれば、底と側面を鑿で仕上げます。

鑿で仕上げ

鑿で仕上げ

できあがり!

できあがり!

シンクの縁にぴったり

シンクの縁にハマればOK

同じようにして、奥側の脚も作ります。シンクの奥の縁が湾曲していたため、2x4 SPF材を縦に使って細い脚を作りました。これでも十分に安定します。

ノコギリでおおざっぱに欠き取り

ノコギリでおおざっぱに欠き取り

あとはシンクの形に合わせて加工

あとはシンクの形に合わせて加工

できあがり!

できあがり!

フリーサイズで砥石を固定できるストッパーの作り方

ストッパーと言っても、要はただの棒です。幅24mm~30mm程度の板材を使います。

後で作成する台の溝の位置と合うように穴あけ位置を決めて、8mmのドリルで穴を開けておきます。ここでは鉄工用ドリルを使っていますが、木工用ドリルでももちろん問題ありません。

木工なのに、なんで鉄工用を使うの?
はろ子
さくや
鉄工用ドリルでも木に穴をあけることはできるんだよ。そして鉄工用は0.5mm単位でサイズが揃うから、穴のサイズを気にするときには便利なんだよね
ドリルで穴開け

ドリルで穴開け

ストッパー(実際に必要なのは2本のみ)

ストッパー(実際に必要なのは2本のみ)

なお、どこに穴を開ければよいかわからないときは、台を作った後で現物合わせで穴をあけても大丈夫です。

シンプルですが、ストッパーの加工はこれで終わり。あとはこの穴にボルトを通して、蝶ネジで締め付けるだけでストッパーになります。

以上ですべての材料の加工は完了です。このあとは組み立てと塗装になりますが、お好みで面取りサンディングをしておきましょう。

組み立て

組み立てで気を付けるべきポイントは二つあります。

  • 溝の幅は、ボルトがスムーズに動く幅を確保しておく
  • シンクに固定する脚は、ガタつくことのないようにシンクにぴったりフィットする位置で固定する

この二つさえ気を付ければ、他は難しいことはありません。

まず中央の台と左右の細長い材料を、幅8mm~9mm程度の間隔をあけて並べ、その位置を保持するように横板をボンドで接着します。ここではビスはまだ打ちません。

ボンドが固まる前に溝に8mmのボルトを通して前後に動かしてください。ボルトがスムーズに動くように溝の幅を調整したら、あとは触らないようにしてそのまま接着します。

ボンドが固まったら、横板と台をビスでしっかり固定します。

台の木材を横木で固定

台の木材を横木で固定

さくや
この横板はなんでもいいよ。目に触れる部分だから、おしゃれに針葉樹合板を使ってみた
針葉樹合板ってお洒落かなぁ・・?
はろ子
さくや
おしゃれだとも!今風のお洒落なカフェやコワーキングスペースではこれ見よがしに全面に使ってたりするんだぞ!環境にもやさしい優良材なんだ!!
なにを力説してるんだか‥。ぜんぶ経費削減のためにきまってるし
はろ子

次に前後二つの脚の取り付け位置を調整します。シンクに脚と台を乗せてみて、できるだけぐらつかない位置を決めてから脚を固定します。

二つの脚

二つの脚

手前の脚の位置

手前の脚

奥の脚

奥の脚

脚をビスで固定

脚をビスで固定

オイル塗装で仕上げ

今回作成しているのは作業用の道具なので、本来塗装は必要ありません。塗装の有無は完全に好みの問題です

私は汚れが付きにくく、目立ちにくくなるかと思いワトコオイルのエボニーで塗装しました。

ワトコオイルで塗装

ワトコオイルで塗装

さくや
水や砥泥の汚れが付きにくくなるので、それなりに意味はあるかも。針葉樹合板の模様が際立ってお洒落だしね!
また言ってるよ~、、
はろ子

調整可能ストッパーを取り付け

最後に、ボルトと蝶ネジ、ワッシャーを使ってストッパーを台に取り付けます。

ワッシャーは表面と裏面の両方に入れていますが、蝶ネジの側のみでもOKです。

ボルト

ボルト

蝶ネジ

蝶ネジ

さくや
白状すると、ボルトを一本、長さを間違えて買いました。(だから一本だけ長い)
はいはい。読者さんは気を付けてくれるから、キミの死は無駄にならないよ
はろ子
さくや
死んでないぞ!?

これで、砥石台の完成です!お疲れさまでした!

砥石台の完成!

砥石台の完成!

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さくや

DIYと木工と刃物研ぎとキャンプが趣味のシステムエンジニア。賃貸住宅でもできるDIYをメインテーマに、DIY特化ブログを運営しています。 相方のこのはは記事作成の他にブログのイラストを担当。ココナラとスキルクラウドで出品もしています。ぜひご利用ください

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