木工

子供用三段ベッドの設計 ~安全性と耐久性、コストまで考える

全体図

さくや(@sakuyakonoha77)です。

子供用のベッドを作るにあたっては、当然安全性が気になります。

万一にも、自分が作ったベッドで子供に怪我をさせるわけにはいきませんよね。

他にも賃貸ならではの悩み、そして切ない懐事情などありますので、設計の時にはいろいろと考える必要があります。

少なくとも以下の点に気を付けたいものです。

  1. 安全性第一子供に怪我をさせない!
  2. 引っ越しの可能性があるので、分解&再組立て可能にする
  3. できればコストを抑えたい。三段ベッドの目標は3万円!

この記事では、これらの三つの点について詳しく書いていきます。

安全な子供用ベッドを作るために、JIS規格を参考にしながら設計

子供が使うものだから、安全性には気を遣いたい

なんといっても子供が使うものです。どんな使い方をするか分かったものじゃありません。

そんなわけで、三段ベッドは耐久性はもちろん、転落防止についても十分に気を付けたいところ。

さくや
正直言うと『三段目から転落したらどうしよう』という懸念が子供用三段ベッド自作の最大のネックでした・・

とはいっても100%の安全性というのはあり得ないし、三段ベッドが市販されている以上、ちゃんと対策すれば大丈夫と考えることにしました。

そこで、安全性について考えるときは次のふたつをガイドラインにしたいと思います。

  1. 市販されているベッドの設計・寸法を参考にする
  2. 二段ベッドに関するJIS規格の記載を参考にする
    ※ただし厳密な検査とかは無理なので、あくまで参考程度

転落防止のために気を付けること

うちの子供はとんでもなく寝相が悪いです。朝起きたら奇想天外な場所にいることも珍しくありません。

そんな子供でもベッドから落ちることの無いように気を付ける必要があります。対策として考えられるのは下記二つです。

てすりとはしご

①転落防止柵を付ける

どんなベッドもついていますよね。当然必要です。JIS規格によれば

7.b) C 上段の床板上面から手すり上端(最も低い部分)までの高さ200 mm以上

https://kikakurui.com/s/S1104-2004-01.html

とあります。寝ている子供が落ちないよう、手すりの高さは20cm以上必要ということですね。この寸法はマットレスの上面から手すり上端までの距離で考える必要があります。

また、手すりと床板の間の隙間から落ちてしまわないよう、子供の頭が通らない間隔にするようにしました。

②はしご用に開ける入り口の大きさは最小限にする

そして前面すべてが手すりでは入れませんので(笑)、手すりの一部を開けてはしごを取り付ける必要があります。

はしごの幅が大きいと、はしごの入り口から子供が落ちないかが心配でした。しかしその点についてはJIS規格には特に記載はないので、気にしなくてもよさそうです。

はしごの幅については、JIS規格に

7.b) H はしごの踏み板の長さ 250mm以上

https://kikakurui.com/s/S1104-2004-01.html

とありました。実際は25㎝では狭すぎるので、市販のベッドを参考に寸法を決めることにします。

子供用ベッドは耐久性も重要

子供が使うものですから、何をされるかわかりません。ちょっとやそっとでは壊れないよう頑丈に作る必要があります。

さくや
実を言えば、壊されても直せばいいだけではあるんだけど・・手すりが壊れて子供が落ちるなんてことがあっても困るからね

耐久性確保のために、建築で使われる2x4を活用

耐久性確保のために、ホームセンターで売られているSPF材(1x4/2x4)を最大限活用することにしました。
SPF材で家が作られているのですから、ちゃんと組めば間違いない強度が得られるはずです。

注意しなければならないのは、その組み方ですね。特に三段ベッドの場合、次の点について気を付ける必要があります。

  1. 段と段をどうつなぐのか(取り外し可能とするのであれば、その方式)
  2. 上に乗る人間の体重を、どう分散させるか
  3. 全体としてゆがみが発生しないよう、どう補強するか

①段と段のつなぎ方

三つのベッドを縦に連結する方法は、家具メーカーであれば金具一択でしょう。しかし私たちは素人なので、金具を扱うスキルはありません。

連結する際には次の三点を実現したいところです。

  • 素人でも可能な方法(金具埋め込みとかは難易度が高い)
  • 十分な強度が得られる方法
  • 引っ越しやセパレートを想定して、分解可能な方法

だいぶ贅沢な要求になっていますが(笑)、DIYではあきらめる必要はありません。やりたいことを、やれるように頭をひねりましょう。

いろいろ考えた結果、縦の短い柱は太めのダボで連結し、長い2x4材と1x4材で周りに打ち付けて添え木にする方式にしました。

これなら縦の荷重に強く、横ずれの力にも耐えられます。ダボ継ぎさえできれば難易度も高くありません。

さくや
ダボ継ぎは初めてだと難しそうに思えるけど、大丈夫。実際やってみれば難しくないよ

柱の継ぎ方

上の絵では非表示ですが、手前にもう一枚1x4を貼り付けて横向きの力に耐えられるようにします(冒頭の絵参照)

②ダボ継ぎのメリットと注意点

ダボ継ぎにするメリットは、接着剤なしで接合できる点です。これならば、もし引っ越しになったとしても分解して再度組み立てることができます。

JIS規格に、参考になる記載もありました。

6 b) 8) 分離式のベッドの場合で上段及び下段の接合部にだぼを使用するときは,だぼの太さは,金属製の場合直径 8 mm 以上,木製の場合直径 12 mm 以上とし,片側のだぼの有効長さは,20 mm 以上なければならない

https://kikakurui.com/s/S1104-2004-01.html

私は金具は使いませんので、木製の場合が当てはまります。ただ、近所のホームセンターを探した限りでは直径12mm以上、長さ40mm以上の木ダボはどこも扱っていませんでした。

仕方がないので直径8mm、長さ50mmのダボで代用することにします。ダボのみでの連結ではなく、側面を木材で補強しますので問題ありません。

すのこ部分の設計

子供とはいえ、いずれは大きくなります。たとえそれが何十kgであろうとベッドが壊れては困りますので、うまく体重を分散させる必要があります。

すのこを作る際の注意点

JIS規格によると、二段ベッドの床板は以下のような構造を持つ必要があるようです。

6. b) 2) 床板の落下防止構造を備えていなければならない
6. b) 4) 上段の床板は,通気性をもち,かつ,下段に異物などが落下しない構造でなければならない。

https://kikakurui.com/s/S1104-2004-01.html

床板は通気性がなければならない

床板は通気性を持つ必要がある、つまり、すのこや網が最適と言うことです。よく作られている『すのこを利用したベッド』というのは、JIS規格の面から考えても合理的だったようです。

床板は、下に物が落ちない構造でなければならない

『下段に異物などが落下しない構造』というのはすのこと矛盾していますが、マットレスを置く前提ならば問題ないでしょう。もちろん、床板自体が落下しないような構造とする必要があります。

今回作成する床板の構造

今回の場合はすのこの取り外しは必要ではないので、すのこと床板の一体型で設計しました。

すのこ

すのこ下の枠組みは2x4材、上に並んでいるすのこはベニヤ合板(厚さ12mm)としています。ベニヤ合板だけでも耐久力がありますが、それを2x4の枠で支えれば完璧でしょう。

すのこの構造は、コストにも影響する

重量に耐えられることが重要なのはもちろんなのですが、ここはコストにも大きく影響する部分です。

たとえば、すのこ板を『ベニヤ合板』とするか、『1x4』とするか、『桐集成材』とするかで、ベッドにかかるコストが大きく変わってきます。

さくや
通気性が一番いいのは桐。桐で作りたいのはやまやまだけど、値段が高いからね・・。ちなみに1x4ですのこを作ろうとすると、耐久性は完璧だけど重量がすごいことになるよ

すのこ板は子供の体重を支えられれば良いので、今回はコストをもっとも抑えられるベニヤ合板を選びました。大人の体重であっても十分に支えることが可能です。

さくや
合板は安くて軽くて耐久力がある優良材だね

子供の体重は複数のすのこで分散され、それが2x4材の外枠に伝わることになります。

すのこと柱

この構造で懸念となるのは、上に乗った子供の体重でベッド全体が斜めに歪んでしまうことです。それを補うために柱には無切断の1x4材、2x4材を打ち付け、周りを取り囲む手すりによって補強します。

木製であることにこだわりたい

ここまで、安全性と耐久性に着目しました。これらは決しておろそかにできない部分なので、最優先で考えるべきです。

でも、それ以外は私の自由にしていいですよね。ここから先は、私の好みです(笑

個人的に、子供には木と触れ合いながら育ってほしいと願っています。だからベッドも、できるだけ自然な木がいい。

メインで使用するSPF材は、建材ではありますが立派な無垢材でもあります。無垢の色を生かし、色付けはほとんどせずに、すべすべに磨いて蜜蝋ワックスのみで仕上げることにしました。これなら素肌で触っても大丈夫です。

手すりは子供たちが昇り降りに使う可能性があるので、ある程度の耐久性があるように気を付けて1x4材で頑丈に作ることにしました。足元にはちょっとした棚も作ってあります。

全体の大きさを決めよう

ここまで考えたら、あとは具体的なサイズを決めていきます。

部屋の寸法を測り、ベッドの位置と、およその大きさを決める

ベッドの大きさを決めるときは、まずは部屋の寸法を測りましょう。これから作るベッドのサイズとして、最大どこまで大きくできるのかを知っておく必要があります。

部屋の中には、ベッド以外にも様々な家具があるはずです。部屋の形も凸凹があるかもしれません。窓、ドア、クローゼットなどの邪魔にならないようにする必要もあります。

また、ベッドを置いたら当分動かしませんので、今後増えていく家具のことも考慮しておく必要があります。ベッドをどこに置くかを決めたら、ベッドの高さ、長さ、幅をどの程度にするかを大まかに決めておきます。

どのマットレスを使うかを決める

次に、どのマットレスを購入するかを決めましょう。

『え? 次そこなの!?』と思われたかもしれませんが、私の場合はそこでした。なぜかというとマットレスの値段がバカにならないからです(切実

マットレスの幅や長さはもちろん、マットレスの厚さも重要となってきます。

さくや
前回書いたけど、『手すりの高さはマットレスの上から20㎝必要』という基準があるからね。

なので必然的に、マットレスに合わせてベッドを設計することになります。

全体のサイズ

マットレスのサイズを決めたら、各段の高さと、床から一段目までの高さも決めていきます。

私はベッド下収納を作るつもりだったので、床から一段目までの高さは市販の収納容器の大きさに合わせて315mmにしています。なお市販の収納用機に合わせた寸法にしてはいますが、ベッド下収納も自作しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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ベッド収納を考えないならば一段目の高さをもっと下げて、そのかわり格段の高さを高くしてもいいですね。

各段の高さはベッドを置く部屋の天井の高さに合わせて設計することになります。天井の高さから一段目の高さを引いた高さ1/3になりますが、私の場合はキリのいい数字で550mmにしました。

さくや
550mmは、残念ながら結構狭い。起き上がって座ることはできない高さ。窮屈だけど仕方ない

次に、各部品についてみていきます。

床板のサイズ

床板は基本はマットレスの大きさですね。

前回も書いたとおり、どのマットレスを使うかを決めてから、それに合わせて床板の大きさを決めるといいと思います。

床板のサイズと、格段の高さ

床板のサイズと、格段の高さ

私の設計図では、縦(長辺)の長さは、ゆとりを持たせてマットレスの長さよりもすこし大きめにしています。

さくや
子供のことだから、枕元や足元に人形とか目覚まし時計とかを置くだろうと思って

すのこ板は厚さ12mm、1820mm x 910mm のラワンベニヤ合板を使用しています。すのこ板の幅は108mmとしていますが、この数値は深い意味はありません。あまり細すぎたり、すのこの間隔が広すぎなければ大丈夫です。

さくや
1820mmの合板からどのように木取りするかで決める。1カットで3mmほどロスするので、カット回数のことも少し考えつつ、どのくらいの幅にするかを考えるのがいい

すのこ板の長さは、もともとのラワンベニヤ合板そのままで910mmです。2x4 SPF材で作った枠組みに、両端の18mmが乗る形にしています。

ちなみに、JIS規格では

6) b) 3) 床板が固定式でないものは,床板を床板保持部の片側に最大限に重ね合わせたとき,反対側の床板保持部と床板の重なりしろは,15 mm 以上なければならない

https://kikakurui.com/s/S1104-2004-01.html

という記載もありますので、すのこ板と外枠の重なり部分は15mm以上あった方がいいです。少なくとも、ビスが打てて、合板が割れないくらいの幅は必要ですね。

四隅の柱の長さ

四隅を支える2x4と1x4の柱の長さは、全体の高さと同じです。

手すりのサイズ

手すりのサイズ

なお、このサイズの木材が手に入るかどうかは要注意です。近所のホームセンターを確認しておきましょう。

手すりの高さ

手すりは側面のはしごに連結させることにしていますので、手すりの長さははしごの幅次第で決まります。

さくや
ちなみに、一段目の手すりはナシ。落っこちても大丈夫だろうし

ここはデザインの自由度が高いところなので、はしごのデザインを決めてから手すりの長さを決めればいいと思います。

ただし、以前書いたとおり手すりの高さはマットレスの上の面から200mm以上必要です。

ベニヤ合板を打ち付けて完成
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マットレスを乗せたら手すりの高さが足りなくなった、ということが無いように注意が必要です。

また、手すりに隙間が空く場合は隙間から子供が落ちないように気を付けてください。

蛇足ですが、奥の側面に手すりがないのは、部屋の隅に寄せて置く想定でそこには壁が来る予定だからです。

はしごのサイズ

はしごは二列を横連結した形にしました。

はしごを一列にして、真ん中の段の人は、はしごから横に入るようにする・・という方法もあるのかもしれませんが、子供のことを考えると使いにくそうだったのでこの方式にしています。

はしごのサイズ

はしごのサイズ

はしごの横幅と各ステップの高さは、市販のベッドを参考に設定しました。子供の年齢や身長によっても使いやすい大きさは変わると思います。

さくや
最適な大きさを考えるのは難しいけど、でもきっと、どんなサイズであっても子供は喜ぶよ。大きすぎなければ大丈夫

なお、はしごの材料はある程度の強度が必要です。私は 30mm x 40mmのSPF材を使いました。これくらいの太さがあれば問題ないようです。

さくや
大人の私が乗っても全然問題ないくらい強度がありました!

結局、今回の材料費は・・

木材の数量を確認

木取り図が完成したら、最後に木材の数量と価格を確認しておきます。

木材にかかる費用のまとめ

木材にかかる費用のまとめ

ここでも木材の単価を設定できますので、近所のホームセンターで価格を調べておいて入力してみてください。

私の場合、今回の三段ベッドで材木にかかった費用は合計22,716円でした!

ただしこれはcaDIY3Dがはじき出した参考値。実際は端材を含めて購入することになるので、もう少しかかります。また、端材はほかで有効活用するので無駄にはしていません。

さくや
とりあえず3万円はきった!!(※ただしマットレスの費用は除く・・)

さぁ、これで設計は終わりました。次はいよいよ製作です!

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DIYと木工と刃物研ぎとキャンプが趣味のシステムエンジニア。賃貸住宅でもできるDIYをメインテーマに、DIY特化ブログを運営しています。 相方のこのはは記事作成の他にブログのイラストを担当。ココナラとスキルクラウドで出品もしています。ぜひご利用ください

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